小さな新聞8月号(月刊わらじ連載)


愚行の階段どこまで続く――
今度は「高等養護学校」

 県教育局は、軽度知的障害者を対象に高等養護学校を、さいたま市と羽生市に2007年度に開校する計画をまとめた。さいたま市に設置される学校の定員は一学年64人、同じく羽生市のは32人。通学区域は設けず、入学試験による選抜をし、工業や農業など職業教育を重視する。「就職率100%」を最大の目玉としている。(埼玉・7/29)
 しかし、就職できそうな生徒が全県から集中するだけで、県全体の卒業者の就職の伸びは期待できない。そもそもかつて中学の特殊学級の担任の仕事は、地元を回って生徒達を工場に送り込み、フォローもすることにあった。今は大半が養護学校高等部に進むが、養護は広域で、地域に根ざした支援はムリ。県全体の特殊教育卒業者の就職は、25年前の半分に減ってしまった。場を分ける無意味さは明らかだ。


想 X-P廃止

 厚労省は結核予防法の年1回レントゲン検査の義務を今年4月から廃止した。
 この件については思い出がある。99年つぐみ共生会の県監査の際、胸部レントゲン検査をするようにと勧告を受けた。
 検診で結核がみつかる人が1万人に1人以下と少なく、発見する利益よりエックス線被ばくの害の方が大きい、云々と意見書を書き、県監査課におじゃました。
 厚労省が今回廃止した理由は、私が書いた意見書と同じではないか。
 6年前にすでに結核の専門家なども同じことを論文に出していた。制度が変わるには、こんなにも時間がかかるということか。
 なお、厚労省は、労働安全法でも33年間続けたレントゲン検査を、有効性がないと4月に廃止しようとしたが、廃止により1000億円の減収になる業界の猛反対にあい、委員会を設けて検討中という。