小さな新聞2月号(月刊わらじ連載)


「脳死は死か」原点に戻れ

 厚労相は2006年度から、心臓・肺・肝・膵臓など脳死・臓器移植に健康保険を適用する。脳死判定にも同様に適用する。(埼玉1・12)
 1997年に脳死・臓器移植法が成立して以来41人が臓器を摘出され、移植が行われた。
 例数が少いという以外に、救急医療がきちんとされたかも公開されていないし、脳死判定の手順がちがっていても不問にされている。
 臓器移植をうけた人の結果も公開されていない。
 保険適用は、技術が実績を重ね、「一般的医療」として普及したと判断されないと対象とならないのが普通。脳死・臓器移植は、一般的医療とはいえず、保険適用の原則から大きくはずれている。
 「脳死は何か」という原点にもどって考えることが必要ではないか。


かぜってなんだろう

 TVで「インフルエンザは『かぜ』ではない」といいきっているのを聞いて驚いた。じゃあ、「かぜ」とは何なんだ。
 一般的に「かぜ」といわれているものは、症状がさまざまで、鼻づまり、鼻水、のどの痛み、熱など「上気道炎」が相当する。他にも、おなかの「かぜ」と呼ばれているものもある。「かぜ」をひきおこすウィルスは60種以上もあって、そのひとつがインフルエンザウィルス。インフルエンザが「かぜ」でないならば「夏かぜ」といわれているものは何か。
 プール熱、ヘルパンギーナ、手足口病などが「夏かぜ」といわれており、ウィルスの感染でおこる。結構感染力がつよく、高熱が出て、子どもに限っていえば、インフルエンザよりもつらそうな症状が出る。髄膜炎や脳炎になることもある。水分をとって安静にして5日から一週間で自然に治るのはインフルエンザと同じ。インフルエンザは「かぜ」ではないと恐怖をあおるのは、ワクチンや特効薬といわれる薬を使わせるためではないかと思うのは、かんぐりすぎか。