小さな新聞8月号(月刊わらじ連載)


X線検査 学校⇒廃止VS職場⇒続行
結核予防法 労働安全衛生法

 職場の定期健診で年一回行われている胸部エックス線検査について、厚労省がとんでもない方針をうち出した。
 現行の労働安全衛生法では年一回の実施が義務づけられている。胸部エックス線検査をめぐっては、病気の早期発見よりは、エックス線被爆のリスクの方が高いという理由で、結核予防法が改正され、一律の定期検査が昨年四月から廃止された。これを受けて、職場の定期検査についても見直しが問われ、専門家検討会ができた。しかし、この検討会に厚労省が示した案は、年一回は40才以上、40才未満については5年目ごとの「節目検診」にしたいというもの(7/22 朝日)。
 同じ厚労省の中で結核予防法での理くつが労働安全衛生法ではなぜとおらないのか。
 健診に携わる業界が、「結核だけでなくさまざまな疾患の発見に成果をあげており、有効性がないとは言えない」と反発し、厚労省は業界に妥協したかのよう。
 では、「さまざまな疾患」の代表的なものとして、肺ガンの検診についてはどうか。肺ガンの検診については、胸部エックス線検査と痰の検査をくり返し行ったグループと、症状が出た時に検査を行ったグループとの比較検討を行った結果、肺ガンによる死亡数には両者で差がなかったとい結果がアメリカで出ており、欧米では肺ガン検診を取りやめている。
 40才からでも毎年エックス線被爆すれば被害を受けるし、ましてや5年ごとの健診なんて意味がない。無駄な金もかかる。


幸子さん七回忌

 7月29日新坂幸子さんの七回忌がおこなわれた。塩分制限が必要だった幸子さんが、こっそり舐めていたのにちなんで「味噌舐忌」と命名された。