小さな新聞2月号(月刊わらじ連載)


両刃の剣――特別支援教育支援員
共に学ぶこと支えるか分ける手伝いか

 文部科学省が「特別支援教育支援員」を小・中学校に配置する、と決定。'07年度は二万一千人、'08年度は九千人。ほぼ全公立小・中学校に一人の配置。(1/7埼玉)
 現在、県内では「盲・ろう・養護学校や特殊学級に就学させるべき」と判定されながら普通学級に在籍している障害のある子は1111人('03県教育局調査)いる。市町村が独自に対応して757人の介助員や学習支援員をつけている。(県教育局)
 国の予算がついたことで、今まで曖昧だった介助員や支援員に法的裏づけがなされたわけだが、残っている課題も多い。
 実施主体は市町村なので、個々の市町村がどう対応するかがわからないこと。
 いま、市町村独自の「介助員」「支援員」もしばしばその子をクラスメートから囲いこんでしまうという問題もある。「支援員」の制度化により、これまで分け隔てられず一緒に学んでいた子ども達の中から「特別な教育的ニーズをもった子」が次々にあぶり出されて行くとしたら本末転倒だ。共に育つための支援員制度にしなければ意味がない。
 また、予算がついたとはいえ、支援員一人に換算すると一人一ヶ月十万円で、身分も不安定だ。
 昨年10月県議会は国に対し「分け隔てられることのない教育を原則に」「共に育ち学ぶための環境整備」を求める意見書を採択した。この意見書に沿って、支援の必要な子すべてを対象に、当事者も含め「共に育つための支援とは何か」を模索していくことがまず必要ではないか。


「『共に』と介助」研修

 ケアシステムわら細工の第2回重度訪問介護従事者養成研修が行われた。
 学校や仕事での「介助」をめぐってがテーマ。清水泰江さん、吉井真寿美さん、合戸大土さんらが講師。