小さな新聞6月号(月刊わらじ連載)


「障害(そんざい)」が照らした現在(いま)
70年代を拓いた両雄対談を若者が進行役

 社団・埼玉県障害者自立生活協会の総会が5月25日行われ、記念シンポジウムが行われた。『「障害」から照される「いま」・どこから来てどこへ行くのか』と題した小山正義氏と八木下浩一氏の対談。小山氏は全国青い芝の会神奈川県代表、八木下氏は同協会相談役で全障連代表幹事を務めた人。40年以上障害者運動を生きてきた二人の対談のコーディネーターをしたのは、29才の猪瀬浩平さん(風の学校事務局長・明学大教員)。
 小山氏も出ている映画「さよならcp」のシーンや、八木下氏との出合いを語る同協会監事だった故西村秀夫さんのTV番組、障害児の県立高校入学を求めて三泊四日の県庁泊り込み中、知事応接室で遊ぶ当時小学生の猪瀬さんの映像等をはさみながらの対談。
 会場から、青い芝の会と全障連のちがいを質問され、「八木下くんは社会幻想にとらわれているんだよ」という小山氏をうれしそうに笑っている八木下氏。その八木下氏は、当時、全障連に青い芝を合流させようと動き、その後も全障連にとどまり続けたのは、「健全者とケンカしようと思えば、一緒の土俵をつくらなくては」という理由からだったと歴史の一端を披露。
 この「ジャイアント馬場とアントニオ猪木の対決(猪瀬さん)」は、会場からのジャッジによれば、「両者リングアウト(樋上秀さん)」。


深まる優生社会

 年齢を問わず脳死を人の死とし、本人の意志表示がなくても家族の承諾で臓器提供を可能にしようと、臓器移植法の変更をめざす議員連盟の設立総会があった。(5/28朝日)
 移植をする臓器を増やすことだけを目的にしたハイエナのような案だが、このようなことが許されれば、死はどんどん前たおしになるだろう。