小さな新聞3月号(月刊わらじ連載)


骨格提言は障害者と他者の共同成果
尾上浩二総合福祉部会副部会長が講演

 「障害者制度改革」埼玉セミナー・パート3が2月19日行われた。主催は(社)埼玉障害者自立生活協会、埼玉障害者市民ネットワーク。テーマは「総合福祉法の骨格提言」。講師はDPI事務局長・総合福祉部会副部会長の尾上浩二さん。
 骨格提言を受けて出された厚労省案は、現行の自立支援法を総合福祉法と言い換えただけ。尾上さんは「たかが制度・されど制度。厚労省は提言を”皆さんの夢のリスト”というが、障害当事者、家族、事業者、自治体、研究者など立場が異なる人たちが折り合いをつけながらひとつの提言にまとめることができたということは大きい。」と述べた。わらじの会からも、谷崎恵子・森住由香里さんケア・システムわら細工、吉田弘一さんが生活支援センターについて報告した。


想――

 インフルエンザが10年ぶりに大流行した。かなりの人がインフルエンザワクチンをうっている。報道では病院や老人施設でも数十人単位の集団発生が起きた。この人たちもほとんどがワクチンをうっているだろう。本当にワクチンが予防に役立っているのだろうかと疑問に思う人も少なからずいるだろう。
 5年間にわたる調査結果をまとめた”前橋レポート”が出たのが1987年。ワクチンをうってもうたなくてもインフルエンザになる確率は変わらないという事実を示した。その頃は3歳から15歳の子どもに接種が義務化されていた。市全体でワクチンをうたないで、しかも5年間にわたって採血し抗体価を調べるという調査はとても大変だったと思う。調査結果では感染しても高熱などの症状が出ない不顕性感染が20%いるということも分かった。一時はワクチンを打つ人は激減したが”インフルエンザは怖い”という国を挙げての宣伝がされた結果、ワクチンをうつ人が増大している。今ではこのような調査をすること自体不可能だろう。大切な財産が忘れ去られている。