小さな新聞4月号(月刊わらじ連載)


尊厳死という名の淘汰
超党派の議員連盟が法案準備中

 超党派の国民議員でつくる尊厳死法制化を考える議員連盟が尊厳死法案提出を準備している。(3・23朝日) 公表された法案は、終末期の患者が延命措置を望まない場合、人工呼吸器装着など延命措置をしなくても医師は責任を問われないというもの。DPI日本会議、バクバクの会(人工呼吸器をつけた子の親の会)、日本ALS協会などが法制化に反対する声明を出している。
 ALSの人たちなど難病患者が家族に頼らず個人で生き延びるための保証がほとんどない社会で、諸々の事情から治療を断って死ぬ覚悟を一度表明してしまうと、後に治療を望む気持ちになってもそれを伝えることが困難で呼吸器を装着して生き延びる道が閉ざされてしまう。人工呼吸器をつけて生活している子どもは、一度は医者に「生命予後不良」といわれた子どもである。それでも予測を覆して生き延びてきた子どもである。
 この法案はおかしなことに「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案(仮称)」という。まるで患者の意思を尊重しているようだが、実は延命処置をしなくても医師が法的責任を負わなくてもよいというところに重点がある。法案がつくられる時には患者の「自己決定」とされているが、脳死・臓器移植法がそうであったように何年かたつと「家族の同意」で事が運ばれていくという事態になるだろう。「尊厳死法案」は重い障害や病気をもって生きていくことは価値がないと決めつける法案に等しい。


七年目も切捨て

 県立日高高校を受験した吉井英樹さんは今年も定員内不合格にされた。さらに欠員補充にも落とされた。県教育局は今年も「校長の判断」といい逃れ、七年も責任を放棄したまま。