小さな新聞12月号(月刊わらじ連載)


六価クロム
検診40年まだ漏出

 六価クロム漏出、非公表(11・17朝日)。記事を見ていまだに無害化されず漏出しているんだと思った。強い酸化作用を持つ重金属・六価クロムは皮膚障害や発がん性をもつ。六価クロムはメッキやステンレス製造等で幅広く使用されている。江東区一帯にあった日本化学工業が大量の残渣を埋めたところ。
 今から40年前の1975年、工場で働いていた人たち140人が「被害者の会」を結成し裁判をおこした。このうち40人が肺がん等で死亡していた。粉じん舞い上がる工場で働いて鼻中隔穿孔や鼻のがん、肺がん、胃がんなどになったのだ。工場跡地は東京都が買い取り、工場は東南アジアに移った。その当時、あたりは雨が降ると「黄色い水」がたまった。六価クロムが水に溶けてしみ出したのだ。あたりは草一本はえないと言われていた。この土地は東京都が買い取り無害化処理をして鉄板などで仕切って地中に埋められた。その土地には今、公園や住宅や地下鉄がある。
 当時、若手の医者たちが「クロム被害研究会」を組織し、検診と裁判のバックアップをした。裁判中も何人もの人が死んでいった。あれから40年たつが、無害化処理されたと言われたと言われていた六価クロムが地表に出てきた。影響を受ける人や生物は放射能に比べればはるかに少ないが、それでもこの有害物質はこの先何年も残るだろう。裁判が終わってからも40年間ずーっと検診は続けられている。多くの人が亡くなって残った人たちも高齢になり、検診をする医者も高齢になったが、今年もその日が近づいてきた。


NPO申請受理

 わら細工・パタパタ・ぶあく三者が合同で設立するNPO法人の申請が11月15日受理された。
 新拠点となる武里駅前店舗、改装中。