小さな新聞2013年05月号(月刊わらじ連載)


市民福祉講座 「原発と農」

 4月13日NPO法人・共に生きる街づくりセンター・かがし座のおひろめ会・交流会がリニューアルしたかがし座と駅前かがし座で開かれた。
 14日には市民福祉講座「フクシマ⇔サイタマ 分け隔てる農 むすぶ農」が開かれた。飯館村から伊達市の仮設住宅に避難している安齋徹さん、越谷市で有機農業を営む倉川秀明さん、うつ病のリハビリで農園研修をしている清水賢吉さん、見沼風の学校の猪瀬浩平さんが話し手、コーディネータはNPO法人の吉田弘一さん。農業ではなく“農”という暮らしのあり方(倉川さん)を原発事故で奪われた安齋さんは、国も県も村も事実を隠ぺいして早期帰村をさせようとする危険さと無念さをにじませ、暮らしを語った。



 100歳8ヶ月の母が亡くなった。昨秋急に具合が悪くなった時には、「え、私が死亡診断書を書くの!」と一瞬動揺した。ここ何十年か健診はいうまでもなく一度も受診したことがなかったぐらい医療とは無関係に過ごしてきた。最後の数ヶ月は入院してそのまま逝ってしまった。母の受け持医は、「この年代の人は戦争・戦後を生き延びてきた人たちで、私たちも初めての経験なので……。まあ、私たちの年代は、添加物入りの食べ物を食べてるし、血圧だ、コレステロールだ、血糖値だと大量の薬をのんでいたりするからそんなに長生きはしないと思いますがね」と。
 医療が進歩したから寿命がのびたと思われているが、寿命がのびた要因の大部分は、衛生環境の改善と栄養状態がよくなったためである。アンチ・エイジングが大国・アメリカでは寿命が少しずつ下がり始めているという“正常範囲”という数値に振り回されない暮らしをしたいものである。