小さな新聞2013年06月号(月刊わらじ連載)


福祉と雇用の壁 県庁で対峙
アンテナショップかっぽの15年間を検証

 5月26日、社団法人・埼玉障害者自立生活協会の21回総会と記念シンポが行われた。シンポは、「福祉と雇用を分ける壁と県庁で向き合って」と題して、県庁内のアンテナショップ・かっぽの検証がされた。障害者雇用の枠から排除された障害者たちが施設や在宅で、共に働こう・共に生きよう・運営にもかかわろうと、あがいて15年、行政にもこの思いや試みがどれだけ届いているか。かっぽ専従の板倉真紀さんがパネラー初デビュー。中村幸治さん(ワーカーズコープ・森の102工房所長)、有山博さん(上福岡障害者支援センター代表)、小田原道弥さん(かっぽ運営協議会代表)らがパネラーに。コーディネーターは吉田弘一さん(かがし座事務局長)が務めた。



 アンジェリーナ・ジョリーさんが遺伝性乳がんの予防のために乳房の予防切除をし、卵巣摘出も予定しているということで、日本でも乳房や卵巣の予防切除が話題になっている。15施設が実施ないしは計画をしているという(5/24読売)。
 遺伝するがんはこの他にもある。肺がん、胃がん、大腸がん、十二指腸がん、前立腺がん、腎臓がんなどあらゆる臓器に遺伝性のがんがある。将来がんになる確率が高いといっても必ずがんになるわけでもなく、技術が進んでも100%確定診断ができるわけではない。部品のように臓器を取るわけにはいかない。
 遺伝子検査からわかるのはがんだけではなく、高血圧、糖尿病、肥満、心筋梗塞など生活習慣病といわれているものから、アルツハイマー、ハンチントン病など有効な治療法がない病気など様々ある。しかも遺伝子検査は血液や唾液のサンプルから簡単にわかるようになってきた。不安をかきたてる遺伝子産業も肥大してきている。わかったとしても不安要因を取り除くことはほとんどできない。遺伝子格差の社会がくるのだろうか。「わかる」ということはいいことなのだろうか。