小さな新聞2013年12月号(月刊わらじ連載)


検査・支援・予防の名の下に何が
「小さな新聞」ニュースのその後追う

 2013年の小さな新聞の記事のその後を追った。
 @ 新型出生前検査(11月号、医療・医学の倫理性とは?)……今年4月の導入から6ヶ月間に検査を受けた妊婦は3514人、そのうち67人(1.9%)が胎児に染色体異常を疑わせる陽性の判定が出た。その後、羊水検査で確定診断がついた人が56人、うち2人が流産し、54人(98%)が中絶した。検査自体を取りやめた人は168人(11・22読売)早期発見・早期治療ということで医療の場で障害胎児の早期抹殺が加速されていることを裏づけるデータ。
 A 特別支援学校増設(8月号「普通の子」が分け隔てられる)……さいたま市教委は、市立小中学校の通常学級に在籍する子どもの9.1%が「発達障害が疑われる特別な教育的支援が必要な子」と担任を対象とした調査結果を発表した(11月26日埼玉)。市は特別支援学級の設置校を現在の3割から8割まで増やす方針という。「住み慣れた地域で学べるよう」と教育長は言うが、見せかけだけの「地域」ではないのだろうか。子ども時代を細かく分けられ、隔てられ育てられていけば、社会に出た時にせめぎ合い、折り合いをつけて生きていく力は育たないだろう。いろんな人がいて当たり前ということを学んでいく機会を子どもたちから奪ってはならないだろう。
 B 「地域とからだ――まなざしを問う」共に生きるための市民福祉講座記録集・わらじの会編・1月号)2章「インフルエンザのほんとの話」で母里啓子さんがインフルエンザワクチンは有害無益と語っている。昨季のインフルエンザの予防接種は効かなかったということを国立感染症研究所が明らかにした。ただし、高齢者だけに限定しているが(11・22朝日)。
 医療関係のサイトでは、医療従事者のワクチン接種率が低いということが話題になっている。ワクチンの有効性を信じている人が多くはないから。今年もインフルエンザの季節がやってきた。どうする?