小さな新聞2014年05月号(月刊わらじ連載)


働き合い切口に地域・自治体問う
障害者の職場参加をすすめる会総会・シンポ開かる

 4月26日越谷市のNPO法人・障害者の職場参加をすすめる会(代表理事・鈴木操さん)の定期総会と記念シンポジウムが行われた。シンポジウムのテーマは「障害者の職場参加(多様な就労)と自治体――いま地域では」。第一部は、チャレンジドオフィスちばの報告と、40年間障害者就労にこだわってきた沖山雅子前所長の話。第2部は、NPO法人やまぼうし(日野市)の伊藤勲さん、職場参加の提唱者の新座から大野聡さん、ワーカーズコープの玉木信博さん、三郷市障害者就労支援センターの大野弘幸さんがシンポジストに。コーディネーターは元就労支援センター所長で現在NPO法人かがし座の事務局長の吉田弘一さん。職場・地域の問題も含めた「多様な就労」の機会と創出を探った。



 「健診に行ったら急に“病人”になって降圧剤と糖尿の薬を出された。薬をのむようになってなんだか具合が悪くて。ほんとうにのむ必要があるのかしら」「降圧剤とコレステロールを下げる薬を勝手にやめちゃいました。新聞見たら新しい基準では正常範囲だったから。薬をのみ続けた数年はなんだったのかと思う。」これは高齢の患者さんの話。日本人間ドック学会が4月に健康診断の基準値を緩める案を発表した。現在の基準を定めた専門学会が一斉に反発しているという。(5/3朝日)それはそうだろう。“病人”が激減するから。30〜80歳の男女で高血圧とされる現在の基準の血圧が130以上には全体の約30%が当てはまる。新基準で高血圧とされる148以上の人は約8%だけ。人口でいえば高血圧の“病人”は2474万人から660万人と1800万人も減るという。コレステロールに至っては全体の52%が基準に引っかかっていたのが、新基準になると約4%になるという。現在の基準値が作られた時から“根拠がない”という批判はあったが、10数年間で膨大な“病人”が作られてきた。“数値”に支配されない生活を送ることが“健康”の第一歩だろう。