1月にわらじの会関連の地域活動の協議体である「CILわらじ総合協議会」が、「共に生きる街づくり情報センター・かがし座」を春日部市大場にオープンしたことは、ご存知の方もおられるだろう。この数ケ月、「かがし座」では「市民福祉講座」と名づけた小さな公開セミナーをくりかえし催してきた。また「ロールオーバー放送コード映画会」と題し、障害の描写が「放送倫理コード」にふれるとして闇に葬られた映画の上映会、越谷市役所等での職場実習の記録を展示した「職場参加展」、「中古着物市」なども実施してきた。 写真は3月16日に行われた「市民福祉講座」。テーマは「医療的ケアってなんだ」。写真右下の藤崎さんが最近市のヘルパーさんに浣腸をやってもらえなくなったことを疑問に思ったことからこのテーマを組んだ。武里団地で一人暮らし・全介助の藤崎さんとしては、日常の排泄介助であることが「医療行為」とされ拒否されるのは納得がいかない。この日初参加の細谷さん(写真左)はベンチレーターを使用して越谷市の自宅で暮らしているが、藤崎さんの思いに共感。細谷さんは20年近く病院暮らしをしていたが、数年前に自宅に戻った。完全看護の病院にいても管がはずれ死ぬ寸前の思いもしたという。看護婦さんがいつも傍にいるわけではない。それを考えればむしろ身近な地域で介助者を確保し、その人たちに装置の扱い方も自分で教えていったほうが安全かも…と語っていた。 「市民福祉講座」などの催しは、障害や所属の枠をこえて、地域で共に生きるノウハウを考えあう公開市民プロジェクトの意味合いをもち始めている。「CILわらじ総合協議会」では、「かがし座」を中心とする活動を強化するため、常勤・非常勤のスタッフを増員する予定。今後の「かがし座」に乞うご期待! |