『月刊わらじ』2002年8月号表紙

 「黄色い部屋」がある春日部市大場の谷中耳鼻科の駐車場(そこに「共に働く店・ぶあく」があり、3月までは「ケアシステムわら細工事務所もあった」の地主さんの屋敷林が、8月1日にほとんど伐採された(写真)。駐車場の唯一の木陰を作っていたけやきも伐られた。ふりかえれば、現在地に耳鼻科が建ったのは1983年。この年に、その2年前から活動していた「自立に向かってはばたく家準備会」に、越谷市が単独事業で「障害者自立生活援助事業」を立ち上げて補助を決めてくれた。1995年に「通所授産施設・べしみ」や「デイケア・パタパタ」ができるまでの10数年間、この駐車場のプレハブ村がわらじの会の日常活動のセンターだった。プレハブは手ぜまだし暑いので、夏はよくけやきの下で昼食をしたし、会議も木陰でやったりしたものだ。まだ周りは畑だったし、東京から見学にきた障害者団体は、一様にうらやましがっていた。
 そんなわらじの会の原像を知る数少ない人……写真右は耳鼻科の隣人・平野さん、左は耳鼻科から「はばたく家」の活動支援のため派遣された「あんこ」こと今井さん。風景は一変したが、二人の表情に感傷は見えない。ちなみにここには近く高齢者のグループホームが建つ予定。どんな人が来るのか、ちょっと楽しみでもある。
 1日の夜、倒れたけやき達にごくろうさんと叫んでいるような激しい雷雨が訪れた。