『月刊わらじ』2003年6月号表紙

 「カゴメカゴメ カゴの中の鳥はいついつ出やる」 カゴの中の二羽の鳥。右の「鳥」は、越谷市生活支援センター「苞」のコーディネーターの平澤さん。そして、右がこのカゴの主である吉田久美子さん。同センターの木曜スタッフであるとともに、デイケア・パタパタの非常勤職員やかがし座の日替わりスタッフなど多彩な働き方をしている。実はこの吉田さん、岩槻市の生家から5月末に独立し、「苞」にほど近いここ越谷市袋山の借家で念願の一人暮らしを始めたばかり。画面前面の「カゴ」と見えるのは、大家さんのお許しを得て借家を改造して作ったベランダの目隠し。ほんとのところは「カゴ」を出たばかりなのだった。「自分でどこまでできるかやってみたかった」という吉田さん。キッチン、風呂場をはじめ一人でできるように改造したが、いざやってみると「掃除・洗濯・調理・入浴…何も完全にはできないのでちょっぴり落ち込みましたけど、翌日なんとなく復活しました。」介助はまだボランティアのみで、「1ヶ月生活してみてから全身性や支援費をどう使うか考えます。」と語る堅実派。生家が寂しい農村地帯にあり、夜は駅まで親に迎えに来てもらわなければいけないのが辛く、帰りを気にしないで出かけたいというのが一人暮らしの最大動機だった。通称「クミチョー」。蝶のようにエレガントという意味か、はたまた「組長」か…ご本人に会ってたしかめましょう。