『月刊わらじ』2004年9月号表紙

 春日部市大場の住宅地の一角にある駄菓子屋「ごん太」です。「ごん太」のご主人・小島さん(写真)は、わらじの会が発足した1978年に受傷し車椅子生活になりました。駄菓子屋をやる前に喫茶店経営を手がけたこともありましたが、人を使うのは大変で、店を閉じてしまいました。「駄菓子屋は一人でできるし、子供相手だから気楽」と小島さん。駄菓子屋を始めるにあたりノウハウは何もなく、日暮里に仕入れに行って話を聞いたりした程度で、あとは手探りだったそうです。品揃えは「100円持ってきて何種類か買えるように」というのが基本。「こづかい程度にしかなりませんよ。でも小さい子がないお金を握りしめて来ることを考えると、店を開けなくちゃと思うんです。もうけ考えたらできませんよ。」10円ずつ繰り返し買って、2時間くらいいる子供もいます。毎日2時半すぎに店を開け、チャイムが鳴るのを目安にして、子供が帰るのを待って店を閉めます。「ごん太」は小さな子ども達の社交界。高校生や社会人になっても、たまに買いに来る人もいるそうです。「店を始めた14年前にくらべると、入りは少なくなりましたね。子供会もなくなっちゃったし。」小島さんは店にいながらにして、子供社会に対しアンテナを敏感に張っています。水曜定休。土曜日は交流センターに卓球をしに行くので、お姉さんに店番に入ってもらっていますが、日曜も店を開けています。「ごん太」は仕事場であるだけでなく、生活リズムの源にもなっています。支援費制度にせよ、介護保険にせよ、こんなライフ=ワーク・スタイルを応援できるものに変わってほしいものですね。