『月刊わらじ』2005年7月号表紙

 わらじの会に日本青年奉仕協会から派遣されている青年長期ボランティア・安部千央さん(左)と並んでピースしている車椅子の女の子は佐藤綾香さん(春日部市)。いま宮代養護学校小学部3年生だが、地元の立野小学校への転校を希望している。つぎに母・深雪さんの手記を引用する。まず、養護学校へ行くことになった経緯から…「3年前の就学相談で姉の通う地元の小学校へ通わせたいと希望しましたが、足が不自由なため養護学校に行くように言われ、姉と一緒に小学生になる夢をあきらめさせるしかありませんでした。その当時、教育委員会の決定は絶対だと思っていましたから。」ふつうの「相談」というのは、相談を持ちかけた人の悩みにつきあうことから始まるものだが、教育委員会の「就学相談」はそうではない。教育委員会は「障害のある子は特別な場で教育すべきだ」という基本的な考えをもっているから、 「姉と一緒に小学生になる夢」につきあえない。教育委員会はその下にある就学指導(または支援)委員会にかけて、障害の種別・程度により、盲ろう養護学校、特殊学級、通級指導教室のうちどの場に行くべきかを決め、それに従うように説得をしてくるだけ。「最終的には親御さんが決めること」と言いながら。
 やむなく行った養護学校ではどうだったか?「ひとりひとりに合わせた学習をしてくれるとの話でしたが、国語や算数といった授業は行われず、そのクラスで一年生を終わり、二年生に進級するとやっと一年生の教科書を使い、授業が始まりましたが、授業の時間数も少なくて遅れていくばかりでした。姉の通っていた小学校に足を運びましたが、校長先生は通わせてくれるとは言ってくれませんでした。」
 そして今年…「小学3年生になるとき、同じクラスにいた、ひとつ下の男の子がお姉ちゃんのいる小学校へ転校することを聞き、あきらめられなくなっていました。さっそく、教育委員会へ転校したいと申し出ると、県立の養護学校から市立の小学校へ、途中からの転入は出来ないといわれ、2学期から始まる就学相談を受けるように勧められました。養護学校の先生にも相談しましたが、時間のかかることですから−と、やはり、来年度転校を希望するように言われました。」これはサギ商法ではないのか?消費者センターや国民生活センターに「相談」するしかないかな。