『月刊わらじ』2006年9月号表紙

 1978年にわらじの会が発足して以来、毎年続けられてきた2泊3日の交流合宿が今年も100人をこえる参加の下行われた。かっての青壮年たちはいまや中高年となっているが、よくしたもので適度な新陳代謝があり、若者や子ども達もいろいろまじっての活気ある行動となる。3日間を通じて、昼間は10班ほどのグループに分かれて、それぞれ自主計画を立て、グループとしての自己責任に基づいて動く。小さなサバイバルの旅を共にすることにより、日常では出会えなかった自分や他者を発見することも多い。写真は、那須の急な坂を力を合わせて登っている所。カメラを意識してポーズを決めたが、次の瞬間には右下の写真のように必死の構えとなる。那須では駅もバスもバリアがいっぱい。
 今年の合宿に参加して感じたのは、街づくりの活動に取り組んできたベテランも含めて、いつのまにかバリアフリーな街に慣れてしまい、バリアいっぱいの環境下で行動するノウハウを失いつつあること。不特定多数が出入りする公共的な都市空間はたしかにハンディを感じさせない構造になった。しかし特定の人が出入りする学校や職場、集合住宅はまだまだバリアが多く、それが障害者を拒む口実ともなっている。合宿の初心に返り、バリアを求め、バリアを楽しめる体験とわざを身につけたい。