『月刊わらじ』2007年4月号表紙

 追悼・三上優佳さん(写真・左から二人目)。この春、娘・麻衣さん(右から二人目)の越谷西養護学校高等部卒業を待っていたかのように、帰らぬ人となりました。「少子高齢化」と称される社会像への反逆か、4人の子をなし、42歳で生涯を終え…。12年前、麻衣さんが就学する時、重い障害児は特別な学校へ行くしかないと思い込まされていた優佳さんは、教委から書かされていた「確認書」を破棄し、近所の友達と一緒の学校に麻衣さんを通わせました。クラスの子供たちは麻衣さんの「ことば」を担任に伝え、時にはオムツ交換もやってのけました。中学から養護学校に移った後も、この原体験が優佳さんの確信となりました。なんとたくさんの人々に、優佳さんはこの体験を語り聞かせてきたことか。優佳さんの語ったひとこと、ひとことが、荒れ野に無数の芽ぶきをもたらす日を確信して。