今年は猫年?ここは、本誌裏表紙「わらじの会NETWORK」に記された連絡先の一つ、谷中耳鼻科「黄色い部屋」。90年代前半までは「自立に向かってはばたく家準備会」の障害者等で溢れていたスペースも、べしみ、パタパタができ、駐車場に残っていたわら細工、ぶあくも貸し店舗を見つけて引っ越して行き、常時利用する人はいなくなった。いまの定番は、月に3夜の月刊わらじ編集作業とか木曜昼間の電話番くらい。障害者たちに代わってここを管理するのは猫たち。ここ10年ほどの黄色い部屋の歴史と文化は計11匹の猫たちと共にある。いずれも突如現れ、家主の排除にもめげず、居場所を闘い取ってきたものたち。決して動物愛護の精神に守られてではない。生き様をさらすことで家主の文化とせめぎあってきた。「闘争」に「ふれあい」とルビを振った青い芝のあの原典を学んだかのように。猫は人間に飼われるのでなく人間を飼う。福祉や権利とは遠いところで共にいて、世界の不思議へあなたをいざなう。 |