『月刊わらじ』2008年5月号表紙

 「避難所」に集まった人達ではない。ぶてぃっく・ぶあくの4月店番会議。 ぶあくは貧しい障害者雇用事業所で、福祉施設ではなく、店はわら細工、生活支援センター「えん」と同居しているから、人がいられる空間は極度に狭い。しかし日替わりで沢山の人が入っている。この日は雨だったので、福祉センター「ゆっく」ロビーでやろうかと話していたら、「第二の人生」の一部をぶあく店番にあてている坂庭さん(左上最奥)が、「俺んちでやるか?」と言ってくれた。2階はワンルームで坂庭さんの部屋らしい。天井には星が沢山散らばり、「電気を消した後、しばらくは光ってきれいなんだ」という。わらじの会が発足して10数年は制度利用が制限され、こんな風に各自の家に集まることもよくあった。言葉をこえて伝わってくる何かがここにはある。「生活」ほど雄弁なものはない。生活者同士であった「障害者」と「関係者」が、サービスの「利用者」と「労働者」になることで失われたもの―それをどう復権させるかが問われている。