『月刊わらじ』2009年03月号表紙

2009年03月号

 「バリアフリー社会」によって、バリアフリー運動が衰退する……そんな印象を刻み付けられた「交通アクセスシンポジウム」(2/27与野本町コミセン・写真)。主催したのは、交通アクセス埼玉実行委員会。シンポジストには、わらじの会の貧乏神こと樋上さんや実行委員会代表・一木さんほか、DPI事務局長の尾上さん、日本一の障害者交通博士・今福さん、東大の福島さんのグループにおられる村田さんなど、そうそうたる顔ぶれ。そのトップランナーたちが語った状況は、まさに冒頭に述べた言葉に凝縮されている。表面的なバリアフリー化の背後で、バリアが増大している。しかし、バリアフリー化と引き換えに導入された細かい回路によって、人々が分けられ、バリアの全体像がおぼろになっている。まさにカフカの「城」に描かれた状況がある。今福さんは、現在のキーワードは「拒否」だと語る。あらためて出直そう。(社)埼玉障害者自立生活協会では、来年度事業で当事者参加の調査・研究・交流事業を行う。