『月刊わらじ』2010年04月号表紙

2010年04月号表紙

 わらじの会30周年を記念して、「地域と障害―しがらみを編みなおす」(わらじの会編・現代書館 四六版並製404頁 定価3150円)が出版された。写真は、越谷市恩間新田の生活ホーム・もんてんで、この本をPRする新坂きみ子さん(左)と橋本克己さん。二人の共通点は、目が見えず、この本を読むことなどないであろうにもかかわらず、本のPRに進んで協力していることでわかるように、無類の出たがり屋。二人ともわらじの会30年選手であり、まさに「しがらみを編みなお」しつつ生きてきた妖怪たち。 現にこの写真を撮っている生活ホーム・もんてんは、新坂さん自身がいまは故人となった両親から生前贈与代わりとして、幼い頃から慣れ親しんだ田んぼの提供を受け、社会福祉法人を設立して建設したものだ。階下のべしみを含め、建物全体が、新坂さんのからだの延長のよう。そして、橋本さんは生活ホームを獄舎とみなし、あくまでも生家にとどまって、人々を迷い惑わせつつ、しがらみを編みなおしている。 依存から自立へ、でも、共に生きたい…自分勝手な欲望に苛まれる私たちも、悩みの果てにしかたなく成り行きに身をゆだねた時、こんな妖怪たちをそこここで見出すに違いない。たぶんあなたも妖怪の一人だ。