『月刊わらじ』2010年07月号表紙

2010年07月号表紙

 しゃぼん玉が音のないうたをうたう。生まれてすぐ逝ったものたちへの挽歌か、生きながら生きられない自己への応援歌か。だがまた、しゃぼん玉はひとつひとつが世界を映し出す。マンダラを編み続ける気の遠くなるような作業か、いまここでの関係にこだわり続ける人々の群像か。いずれにせよ、それらすべてをひっくるめた何かでありそうなしゃぼん玉が舞う。ここは嵐山町・国立女性教育会館の草地広場。昨夜は150人が語り、演じ、食べ、飲んだ。埼玉障害者市民ネットワーク合宿。まつりの後のけだるい昼に、しゃぼん玉。風が吹く。風の中にしゃぼん玉。孤独と宇宙のしゃぼん玉。生まれて、壊れるしゃぼん玉。ハレとケを結ぶしゃぼん玉。出会いなおすことが大事だと、飛ぶしゃぼん玉。