2月24日、埼玉県公立高校前期募集の合否発表の日、県教育局への緊急申し入れに集まった顔ぶれの中に、わらじの会の障害者たちの姿が目立った。左端は近所の吹上秋桜高校に合格し、喜ぶ松森くんと母。他は、すべてわらじの会の日常活動に関わるメンバー。右端のべしみ職員・中山とその隣の六澤を除いて、みな高校へ行けぬまま社会に出た。六澤の隣の藤崎は、幼いころから養護学校で世の中に学校はそれしかないと思いこみ、なぜ弟と学校で会わないのかが不思議だった。その隣の小河原は普通学級で育ち、中学卒業後養護高等部へ進み、2年ほど近所のスーパーで働いたが発作で退職後、家にこもっていた。高校という選択肢があったのかと初めて知らされ、気になって二度目の参加。その隣、吉田も高等部までずっと養護育ち。成人式で自分だけ誰も知り合いがいなかった。いまパタパタの職員となり、また市の障害者計画の委員ともなって、共に学ぶを進める施策の大事さを説く。松森母子の隣の田邉は、中学入学時に自分の知らないうちに特殊学級入級が決まっていたショックを、いまもひきずっている。各自が争うように語った。福祉の場とは、実はこうして分けられてきた人々の悔しさや悩みや希望がごっちゃになった場なんだということ、その中に福祉を変えるパワーも蓄えられていることを、あらためて実感した一日。 |