『月刊わらじ』2013年02月号表紙

2013年02月号表紙

 病院の大部屋から新年の挨拶を読者に送るわらじの会野沢啓祐代表。野沢の前に代表はなく、野沢の後に…は誰も知らない。会発足時すでに一人暮らし。その家に昔みんながつどった。しかしいま帰還が危ぶまれている。なぜか?介助者募集にいそしむ後輩障害者たちと異なり、野沢は身体介助を入れて来なかった。勧められても頑として断った。公的ないし民間の家事援助と友だち的な外出援助など、最小限以下にとどめてきた。現在地で生まれ育った野沢は、親族、同窓、近隣、市、社協他もろもろの縁の一つとしてわらじの会を位置づけ、行動してきたからだ。不自由でも個としての自立を排した。まさに「しがらみを編みなおす」の一方の極を代表する。べしみへの通所も嫌ってやめた。介助が必要になって入った業者のヘルパーを次々拒否したのも、しがらみに生きるあまり個対個としての関係になじめなかったからだ。「編みなおし」は一朝一夕にはならず。それでも野沢は家に帰る希望を捨てていない。根拠は全くないがピースだ!!