『月刊わらじ』2013年10月号表紙

2013年10月号表紙

 当会代表・野沢啓祐、本年9月23日逝く。享年72才。越谷市大林の農家に生まれ育ち、地元の小・中学校通常学級を卒業。職はなかったが、会発足前から写真の手こぎ三輪車いすで街を闊歩。当時の市職員組合の若手職員たちと出会い、川口で障害者の生きる場をつくる会として運動していた八木下浩一らとも出会っていた。1978年、わらじの会結成と同時に代表となり、現在に至る。写真は1983年2月、越谷市役所正面玄関前で行った、自立に向かってはばたく家準備会の署名活動で。「介護者の派遣、寝泊まりできる小さな家、市の建物内の出店のスペース」が要望だった。同準備会は、当会の在宅重度障害者たちが平日の昼間に春日部市武里団地に集まり、露店や昼食づくり、電動車いす練習、介助者募集などを自主的に行っていた。野沢本人は親から小さな家をもらって一人暮らししていたが、家の奥で毎日を過ごしている他の障害者たちが街に出てゆく活動に力を尽くした。小・中学校の同級・同窓には、かっての市長はじめ役所、事業所、地域に多数の人々が。寡黙な本人は何も語りかけないが、代表・野沢の存在が会の根っこを意味した。ここ8年ほどは床に臥すことが多くなり、昨年11月に入院し点滴のみで10ケ月生き抜き、昇天す。葬儀は密葬で。会として偲ぶ会を準備中。照れ屋の本人は、やめろと顔をなでるだろうな。合奏。