越谷市恩間新田の農家に生まれ、障害のため半年で学校から来るなと言われ、同世代と切り離されて大人になり、25歳でわらじの会と出会い、街に出てから36年目に逝った新坂きみ子さんの告別式。きみ子さんが生まれ育った地で、相続代わりに提供した土地に建てられた生活ホームもんてんで生涯を終え、12月24日、25日、1階のくらしセンター・べしみで葬儀を行った。写真左下は、遺体の顎の下に添えられたミニチュアの「カンパ箱」。話し合いは嫌いだが、カンパ、交渉、露店となると、「行くよー行くよー」と、どんな荒天でも、介助者なしでも出かけて行った彼女を象徴するグッズだ。家で介護した父ちゃんに首を絞められながら、手当たり次第に周りをまきこんで地域を拓き、最後には父ちゃんに土地を出させて、終の棲家を実現した。共に活動した障害者や歴代介助者ら縁を結んだ200名余が泣いたり、怒ったり、笑ったりの二日間。 |