『月刊わらじ』2014年03月号表紙

2014年03月号表紙

 約40年前市役所のケースワーカーになり何をなすべきかわからぬまま、台帳を唯一の手がかりに障害者宅を訪ね歩いた正木敬徳さんが、当時を語る。3月8、9日に開催された「野沢啓祐・新坂きみ子・吉田昌弘とその時代を 偲ぶ会&CILわらじ・くっちゃべる会」のワンシーン。「座敷牢のような所もありました」。会場のくらしセンター・べしみの「べしみ」は泣きべそを秘めた鬼の面。家の奥の暮らしから抽出された障害者達の文化だ。では現在はどうか?「怒る障害者たちがいなくなった」、「制度にからめとられて霧の中のよう」などの感想があいついだ。だが、昔家の奥から街に出て行った障害者たちも初めは皆無口だった。ずっこけ、すれちがいながら他の人々とからみあう…怒り、暴力…「問題行動」と見えたことが意志表現だと受け止められ、街が少し変わる。その積み重ねが本人を地域に欠かせない存在にする。それは今も同じなのでは?いまケースワーカーの役割は、私たち自身に委ねられた。ごちゃごちゃと生きて来た関係をほぐし、一人一人の生きざまと関係の面白さを、地域、自治体に発信してゆく義務が私たちに課せられている。かっての正木さんに倣って、いまは足元の日常を訪ねよう。「問題」、「困難」と見える出来事の中にこそ、人間と人間がせめぎあい、地域、自治体のありかたを変えてゆくヒントがある。もっと面白く、楽しく語ろうよ、スリリングな私たちの日々を!