『月刊わらじ』2016年02月号表紙

2016年02月号表紙

 生活ホーム・オエヴィスの住人である完くんの自己紹介トークではないが、「障害のある人もない人も地域で共に生きる」とは何だろう。そもそも「障害」とは?障害者権利条約により「社会的障壁」が明確にされ、日本でも障害者基本法や差別解消法に明示された。だが、その「社会」とは、あるいは「地域」とはどこのことなのか?
 どこでもない、ここにあるんだよと、この写真が語っている。「克己の頭をかち割って中を見てみたいよ」が、橋本ミツエさんの口癖だ。そして、橋本画伯の暴力が花開く(?)きっかけとなった祖父による煙草の火の押しつけ、若き日の織子奉公で早朝から夜まで働かされごぼうの皮を食べさせられたこと、きのこ取りの名人だったこと…時空をワープしながら世界を語る。早逝した前夫の話ははずかしそうに。そして、またあの口癖だ。「何を考えてるんだろうねえ」と笑う。別の時には、「はたいてやろうと思ったけど、思いとどまった」と。かって首を絞められ、最期かと思ったが、立ちあがることができ死なないで済んだ。
 横塚晃一著「母よ!殺すな」(1975)は今も生きている。その「母」の生きざまの中に「障害」の現在がある。「社会」とは、「地域」とは、それをもう昔の話と思っている私たちのことだ。