東部地域ニュース

■ 「共に学ぶ」を掲げながら障害児を切り捨てた県教委・高校の責任は重い

 今年も知的な障害のある生徒たちが県立高校の門を叩きました。土屋知事の「全障害児に普通学級籍」宣言が出され、4月からの県の新障害者プランにも「共に学ぶ」が入ったこともあり、県立高校では少なくとも定員枠があるかぎり積極的に受け止めてゆくことを期待していました。しかし、結果はまたまた定員内不合格の濫発でした。(下記)

1次試験定員内不合格の事前協議対象者うち合格定員内不合格
 全日制 17校  
 62人37人25人
 定時制 6校  
 8人5人3人
2次試験全日制 3校  
 6人1人5人
 定時制 4校  
 6人 6人

 とりわけ、1次試験の定時制で定員内不合格にされた3 人は、いずれも知的な障害のある生徒であり、2次試験の定時制6人中の最低3人も知的な障害があります。県は「障害による不利益があってはならない」という趣旨の通知を毎年出していますが、知的な障害がある以上、調査書、学力検査、面接による判定方法自体が大きな不利益となる可能性があり、最低限の対応として定員割れの場合は当然のこととして受け止めてゆくことが重要であることは、これまで何度となく、県と確認しあってきました。「定員内不合格は、教育の場を求める生徒を、枠があるにもかかわらず拒否することであり、公立学校としては本来あってはならないこと。」という文書確認をしている県教育局の責任は重大です。
 東部地区でも、今春、知的な障害のある生徒が3人、県立高校を受験し、1 人が全日制(定員割れ)に合格したものの、定時制を受験した2 人が定員内不合格にされました。せっかく地域の小・中学校で一緒に遊んだり、けんかしたりしながら切り拓いてきた同世代の関係が断たれてしまうことは、子供達はもちろん、地域社会にとっても大きな損失というほかありません。
 この過程で、高校の姿勢を後ろ向きにしてしまった2つの要因が明らかになりました。ひとつは、「障害による不利益がないように配慮するための通知」の中に「介助を行う職員を配置することはできない」と明文化されていること。もうひとつは県の監査委員による県立高校に関する監査報告(2 月21 日)の中で、いわゆる県立高校離れや中途退学者の増加への対策として「これまでの取扱いを改め、高等学校教育を受けるにふさわしい資質を有している生徒を入学させるようにされたい」と書かれたこと。
 この2 点は、介助や援助を必要とするような生徒は高校に入れるなと指示したも同然であり、知事の「全障害児普通学級籍」宣言とは正反対の方向を示しています。とくに監査報告の「これまでの取扱いを改め…」以下の内容は、「たとえ0点であっても高校長がその高校の教育を受けるに足る『能力・適性』があると考えれば入学させてよい」と読むことができる現行の基準を、20年前の「能力・資質の一般基準をクリアーしたものだけが高校教育を受ける資格がある」とした当時へ引き戻せというものであり、教育局として即刻、監査委員のかんちがいを訂正すべきでした。すでに交渉にあたっていた指導課の教育指導幹も窓口も異動になってしまいましたが、生徒たちは切り捨てられたままであり、来春まで手をこまねいているわけには行きません。

■ T O K O 読者アンケートより「問題点」・「他の人に伝えたいこと」を掲載

 TOKOの読者達の多くは、地域の学校で共に学んできた子ども達の親か、または現在養護学校等に分け隔てられていますが、今後地域の子どもたちと一緒に学び育ち、卒業後も地域の一員として共に働き、暮すことを求めている親。「障害のある子どもは特別な施設設備と専門スタッフのいる学校で育つのが、その子にとって幸せ。親の見栄で地域の学校に入れても本人にとってマイナス。」という制度が存在し、教委や教員の多くがそのことを疑問に思わない状況、しかし同じクラスに入ってしまえば子供達や親たち、そして教員もいやおうなしに付き合う中で変わってゆく…そんな体験を生きてきた親たちは、いまなにを「問題」と感じ、何を「聞きたい」、「伝えたい」と思っているのでしょうか。土屋知事の「全障害児に普通学級籍」宣言が発せられ、これからその具体化が検討されてゆこうとしているとき、こうした地域での体験(迷い・悩みを含めて)が大事な意味をもつと思います。前号に引き続き、アンケートの結果を、掲載します。 (掲載の順番は不同。なお末尾カッコ内は1月の時点でのお子さんまたは本人の在籍もしくは状況。)

《就学前》

・ (問題点は)話し言葉が赤ちゃんぽくて、情緒も朝夕不安定になります。就学検査はどのようなものなのでしょうか?(幼)

・ 今年は就学時健康診断があるので、その受け方や、普通学級に通うための話し合いなど、課題はたくさんあります。(聞きたいことは)車椅子で普通学級に通っている方の話!どのように学校と話し合ったか、介助のことなどをお聞きしたいです。(幼)

・ (全障害児普通学級籍問題について)上記の件につきまして、継続して情報の提供を希望いたします。(4月から小普1)

《小学校》

・ 今のところ元気に通学してます。送り迎え、トイレの介助と、4 回ほど学校へ行ってます。(問題点は)学年が上がり、教室が上になること。エレベーターはあるのですが、1 人で操作ができないため、行動が限られてしまう。勉強についていくことが難しい。(聞きたいことは)車椅子で地域の学校へ通った方で、遠足や林間学校など、どうされたのでしょうか。親付き添いで参加されたのでしょうか?(小普2)

・ 担任の先生によって 子どもへの対応がちがうので、親のほうが担任にどのように対応しようか、毎年迷ってしまいます。(伝えたいことは)迷ったら普通学級へ!!(小普4)

・ 中学校は、バリアフリーの施設が多いので、なるべく親は出て行かないでいたいところなのですが……(伝えたいことは)6年前のいまごろ、不安、不安な日が続いていましたが、もう6年たちました。1人でいろいろ思ったり、悩んだりも大切ですが、やはりたくさんの人に助けてもらって楽になりました。(小普6)

・ 小学校生活もあと1 年。来年は中学校です。中学校はスムーズに普通学級に入れるのでしょうか。実際の中学校生活はどんなものなのでしょうか。とても不安です。(小普5)

・ (これからの課題は)先生の話を一度で聞けるようになる。(情報を得たいことは)成長していくにあたっての問題やそれを相談する所や親の集まりなどはありますか。(小普2)

・ 先生からも学校生活が楽しくてしかたないといわれ、本人も学校へ行くのを楽しみにしている。帰りだけ一人で帰って来れるようになる。(これからの課題は)現在、週1 回、親学級と一緒に給食を食べています。子どものことを健常児に理解してもらえるよう頑張っていきたいと思う。(小特2)

・(問題点、課題は)4月に越谷養護学校へ進学したあとで、地域の瀬崎中学校との居住地校交流学級がどの程度実現できるか。身体機能訓練(リハビリ)がどの程度継続できるか。養護学校卒業後にどこでどのように生活していくのか。(親としては地域に身体障害者グループホームor 重心障害児ホームを作りたい)(小普6)

・( 課題は)先生方一人一人に研修等が必要だと思う。幸い現在の先生は熱心だが、必ず専門の先生を各学年に配置してほしい。( 聞きたいことは) 学童保育について、我が校は市の意向で小三までしか学童保育を利用できません。他の地域ではどうなのでしょうか。皆さん、どのような場を利用しているのでしょうか。(小特)

・ (問題点は) ・体が大きくなり、力の加減がわからないのが心配です。課題としては、一人で買物ができるように、また交通機関を利用して移動できるようにすること。(小特6)

《中学校》

・ 私はつくづく感じています。命にかかわる病気をもっていない限り、どの子でも地域の社会で育つことが必要だと。そうすれば自然にお互いが育っていくこと。しゃべったこともないのに、外見だけでこの子は変だと声をかけてくれないことも少なくなるのでは。(聞きたいことは)義務教育でない高校、どこで我子を引き受けてくれるのでしょうか?また、その後の就職。どこがあるのでしょうか?(中2)

・ もうすぐ卒業です。子どもが成長するにつれて気が重くなります。子どもが自立していくどころか、ますます母子が密着して家にとりのこされていくような気がします。(中3)

・ (問題点は)将来的なこと。受験。(中普2)

《高校・高等部》

・成績の評価が難しいそうで、通知票は文章だけで受け取っています。きちんとした評価が知りたいです。体育はよい数字だと思う。(伝えたいことは) 「普通」というのは、みんながしんせつということではなく、いろいろあって普通なんです。良いことばかりの特別な世界ではありません。(高1 )

・ (これからの課題は)高校卒業後の進路。高校卒業後の進路のことについて、情報を得たいです。(高1) ・・( 課題は)高等部卒業後、専攻科に進みますが、そこで沢山の力がつくかはわかりません。( 他の子供が短大に進むように?学生生活をエンジョイしてもらいたい気持ちも大きいです。) 学校卒業後の進路については、全くの白紙ですが親として焦りがないのはおかしいでしょうか? ( 伝えたいことは) 現在、養護・特殊・普通 を選ぶにあたって本人・・・というよりは“ 親” が選ぶ事ですので「・・・・( 何)のために選んだ! 」という目的意識を持って選んで欲しい。そして、その目的の為に親も努力して欲しいです。( 養高3 )

《成人》

・ 障害の子を持つと、就学、進学、就職等、節目の時に否応なしに巡ってくるのが、どちらを選ぶかということ。シャバか分けられた場か。自分のことだったら分かるのに、子のこととなるとそうはいかなくなるのが親。どうしたらよりよい先につながっていくのだろうかと迷ってしまうが、障害があるなしではなく、人としてということを忘れないようにと思っている。(成人)

・ 今年の1 月、誕生日を迎えると55才になります。71年、食べていく給料を得るために就職し、32年が過ぎました。これからの生活を考えたい、働く人の生活を考えたいと思い、昔(平成4 年度)受けた三多摩労働大学講座のテキストを見、そばにあった「ソーシャル・ヨーロッパの建設(EC 社会政策)を読みました。199 2年刊です。社会、連帯、対話と経済を総べて含む政策です。人間のいやらしさも当然含むのが現実とは、今起きていることの現実とは思いますが、耳を傾けたい議論と思いました。(問題点、これからの課題は) 〈共同体の任務〉○労働者の安全講座 ○労働条件 ○労働者の情報協議 ○男女機会均等○ハンディキャップのある者の労働市場への参入 〈ソーシャルダイアログ〉○労働者は決して生産の手段として扱われてはならず、社会において、積極的に自らの地位にふさわしい役割を演じていく必要がある。(伝えたいことは)就学、進学ってワクワクすることだと思います。やりたいことをやりましょう。できないことがあったら、話し合っていきましょう。(成人

・ 8年前に卒業。現在は無職。即戦力にならない人員は雇っていられない厳しい状況なので、なるようにしかならないだろうと 、少し諦めています。どうしたものかと思案中?です。(伝えたいことは)障害をもっていてもあたり前に地域の学校に通わせるという強い気持(信念)を持ってほしい。弱腰にならないで!(成人)

・ (問題点は)親の死後。 幽霊になって息子にくっついていようと思ってるけど、幽霊になれないかな?ただの灰になるだけか?聞きたいこと、得たい情報は、何を知りたいのか、自分でも分からない。就学、進学を控えている人たちに、「みんなと一緒がいいよ。たとえ大人になってどうしようもなくても…。」(成人)

・ 体重が2 年間で20s近く増え、母一人の介助がままならなくなってきた。訪問看護で入浴を週2 回してもらっているが、通常に登校していると時間がないため、休ませたり、部活を休ませたりしてまーす。 (問題点は)中学の授業は、娘にとっては、今かなり苦痛。行事ははりきっているけど……。進学も考えなきゃいけないのでしょうが、今は日常生活を安定させるほうがだいじになりつつあります。母も若くはなくなってきたので。

・ (これからの課題は)今回の県の意向が、トップダウンだとしたら、まだまだ壁は厚いのでは? 今までの春日部の教育委員会の反応は、「理想はわかるが、現場が困る…」ということがしばしばでしたから、今後、県と市が、どのような具体的な支援をするのか、そこをきっちり詰めていくことが課題のような気がします。障害の有る無しに関わらず、わが子が学校生活でトラブルを起こしたときなど、わが子に関しては親が専門家だという自信をもって、わが子を信じることが第一だという気がします。(成人)

・ 養護学校入学を希望する親が増えているという話を聞きます。親が如何に地域で学び、暮らすことに積極的になるか。(成人)

■ 2 月県議会一般質問でも「全障害児普通学級籍」の質疑応答が

 TOKO3月号で、2月県議会代表質問(深井議員、秦議員)に対する知事、教育長の答弁をご紹介しました。その後、2 月27日、渡辺千代子議員(歩みの会・民主)の一般質問でも「全障害児普通学級籍」についてふれられ、知事、教育長がそれぞれ答弁しましたので、掲載します。

障害児教育の推進について

   知事は、平成十五年の年頭記者会見におきまして、障害のある子供とそうでない子供が一緒に学ぶことを実現するという強い意向を示されました。共に生き、生かされ合う共生の社会実現を基本に据えて、これまで活動してまいりました私は、このニュースに触れまして、胸が熱くなるほどの感動を覚えました。
 この世に生を受けた命はすべて役目を担っています。自分の命が大切であるように、それぞれ一人一人の命はかけがえのないものです。そして、その命に光を当てるのが政治に携わる者の責務だと私は認識をしております。
 共生の社会の構築は、共に育ち合い、共に学び合うことが実現の第一歩と考えます。保育園や幼稚園では一緒に遊べたのに一緒の学校へ行けない、一緒の学校へ行きたい、一緒に学ばせたいという親子の思い、嘆きを何度も共有してまいりました。
 心の教育が強く求められていますが、一緒に学び合うことから得るものははかり知れないものがあります。障害も個性の一つです。それぞれの個性を認め合い、共に支え合って生きる社会、ノーマライゼーションの理念の推進には、教育が最も重要であると考えます。
 知事の今般の教育におけるノーマライゼーションの実現の御決意は、まさに一条の光となって、県民は生きる勇気と希望をいただきました。全国に先駆けて埼玉に春が来る。「教育立県埼玉」だと、思わず仲間と手を取り合ったものです。知事の御英断に対しまして、心から敬意を述べさせていただきますとともに、積極的な施策の推進を期待をするものです。
 そこで知事にお伺いいたしますが、障害のある子供たちの学ぶべき環境はどうあるべきだとお考えでしょうか。二重学籍を認めても実現させたいという知事の障害児教育に対する御所見、御決意をお伺いいたします。
 さらに、教育長にお伺いいたします。
 現在、教育現場では、いじめ、体罰、不登校、さらには路上生活者に対する暴行やひったくり事件など様々な問題を抱え、心を育てる教育が求められています。私は、ノーマライゼーションの教育こそ、心の育成にとって最も重要な施策だと確信をしておりますが、教育長はどのようにお考えでしょうか。
 御所見をお伺いいたします。


A  土屋 義彦知事

 まずもって、渡辺千代子議員が日頃この福祉問題にですね、大変情熱を持って取り組んでおられることに対しまして、敬意を表します。さらに、また、この縣南衛生株式会社の問題についてお触れになりましたが、私としても県行政の最高責任者として、深刻に受け止めまして、御質問の趣旨に対しまして、県としても真剣に取り組んでまいります。
 さて、渡辺議員より、「お一人お一人の命は、かけがえのないものであり、その命に光を当てるのが政治に携わるものの責任であります。」とお話いただきましたが、まったく同感であります。また、まさに私の政治信条でもございます。
 私は、しばしば御答弁を申し上げておりますが、平成7年に、インドの首都ニューデリー郊外にあるアマルジョティという障害者の施設を訪問いたしました際、障害のある子供とない子供とが、共に学び共に遊ぶ姿を目の当たりにいたしまして、これがまさしく、本当のバリアフリーである。大変、私は感動いたしました。
 障害のある子供とない子供が、共に学ぶことによって、互いの気持ちを分かり合うことができる。また、障害のある子供にとってもですね、社会の中で他の子供と同様に過ごせるという自信を持つことができる。なんとか埼玉県でも、こうした教育を実現できないのかと考え続けてまいりました。
 私がこの考え方を発表したところが、全国的に大きな反響がございました。教育におけるノーマライゼーションの在り方についての研究で御高名な、東京学芸大学の名誉教授でございます山口薫先生は、わざわざ知事公館までお出ましをいただきまして、山口先生は、小・中学校等の教師や子供たち、保護者が、障害のある子供に対して、「よその家の子供が学校にきたというのではなく、うちの子が戻ってきた。」、という意識を持てるように変えていくことが大切であると、お話をしてくださいました。
 障害のある子供の学ぶ環境として、何よりも大切なことは、障害のない子にとっても、同じ仲間であるといつも思える環境ではないでしょうか。
 私が二重学籍にこだわっているのは、普段は養護学校に通学している子供も、普通学校の学籍を持ち、何かの時には共に過ごすことができ得れば、同じ仲間であるという意識で、できるからでございます。
 もちろん、できることなら、すべての授業を通して共に学ぶことができれば一番よいと私は思っております。そうした検討も進めて欲しいと思っておりますが、それが現段階で難しいならば、まずは、例えば、入学式、学習発表会、運動会や遠足といった学校行事などに、少しでも同じ仲間としてですね、過ごせるような環境を作りたいのでございます。
 私の目には、障害のある子供とない子供が手をつなぎ、助け合いながら、桜の下を入学式会場に向かう情景が浮かんでくるのであります。
 このことの実現にはですね、大きな困難が伴うものと思われます。しかしながら、社会全体の意識の変革を図り、心のバリアを取り払いながら、互いの人格を認め合えるような社会を作っていくことは、私の確固たる信念であります。
 渡辺議員からは、私の決意が、まさに一条の光であるとの評価を頂戴いたしましたが、将来、この一条の光が彩り豊かな光となり、彩の国の教育を光り輝やかせてくれるように、障害のある子供もない子供も、共に育ち、共に学び合う教育が実現できるよう、議員の皆様方の御理解・御協力・御支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

稲葉 喜徳教育長

 現在、県におきましては、すべての養護学校において、近隣の2ないし3校程度の小・中学校や高等学校との間で、交流教育を実施いたしております。
 この交流教育を体験した児童生徒からは、障害のある子どもたちが一生懸命に運動や学習に取り組む姿を見て、「自分も頑張らなければいけないと感じた。」、「街のなかで障害のある人にあったら『お手伝いできることはないか。』と、声をかけるようにしたい」。また、指導に当たった教員からは、「クラスの子供たちが互いの良さを認め合うようになり、明るい雰囲気の学級になった。」、「休日に進んでボランティア活動に取り組む生徒が増えた。」といった感想が多く寄せられておりまして、養護学校と通常の学級の児童生徒が共に過ごすことが、児童生徒の人間形成の上で、大きな成果をあげていることが実証されております。
 一方、お話にございましたように、現在の教育現場では、いじめ、不登校、さらには、暴力行為やひったくり事件などが、依然として後を絶たず、昨年は、県立高校の生徒や、熊谷市の中学生による悲惨な事件が発生するなど、子供たちの心の問題が危惧される状況にございます。
 今日、こうした子供たちの置かれている状況を考えますと、これまでの交流教育の成果をふまえ、さらに、障害のある子とない子とが、共に育ち共に学ぶノーマライゼーションの理念に基づいた教育を目指すことは、心の育成を図るうえで大変重要であると存じます。
 実現を図りますためには、多くの課題がございますが、今後、鋭意取り組んでまいります。