輝(ひかる)くんの普通学級への転校決まる

 宇都宮市から春日部市に7月の初めに引っ越してきた竹澤 輝君の中学1年普通学級への転校(宇都宮では特殊学級)をめぐる学校・市教委との話し合いがようやくまとまりました。輝君は重複障害で発作もあり、長く歩く場合はバギー使用であるなどのことから、「本来ならば養護学校に行くべき子ども」と言われたり、「特殊学級のある中学に行ったらどうか」と勧められましたが、両親は「地域の中で育てたい。そのために地域の学校に入りみんなに知ってもらいたい。」と求めました。また、「もし普通学級に入るとすれば親の全面的介助が条件」とする学校・教委に対し、両親は「原則として付き添わない」と譲らず、平行線のままでした。
 夏休み中の8月21日、やっと受入を前提とした話し合いが行われました。学校・教委として、支援員と発作等の際に使うベッド・ロッカー付きの控え室を用意しています。支援員は元教員です。
 学校としては、「基本的には介助員が付くことを前提に受け入れた。」と言い、介助員の勤務時間が5時間なので、教委としてこの勤務時間をなんとかしてほしい(教委は即答できないと回答)が、不可能なら介助員がいなくなったら帰ってほしいとしています。
 両親としては、「できるだけ早く理解され、皆と同じ時間までいるようにしてほしい。一人でどこかへ行ってしまう子ではないし。授業に関し特別な指導ができないというがけっこうだ。少しでもみんなと一緒にいさせてほしい。」などと話しました。
 けっきょく9月1日からの登校に関して確認された主なことは以下です。

@ 送迎は家族が車で行う。オムツやタオルは自宅から用意する。
A 1週間は8:50〜12:50とし、母親が付き、先生や支援員に慣れてもらう。
B 9月1日は全校生徒に紹介する。
C 第2週は8:50〜13:50とし給食を食べるようにする。以降は様子を見て。

 両親としては、学校・教委が受入れのための人的・物的準備を整えてくれたことに喜びながらも、それらがクラスメートと本人を分け隔ててしまう結果に陥ることなく、共に育ち合う中学生活をすごすサポートとして機能するようみつめて行かねばならないと考えています。
 ちなみに春日部市は、昨年から実施された障害者計画で「共に育ち合う教育の推進」として、「障害のある子どもと障害のある子どもが、分け隔てなくともに学び育つことができるように、多様な支援方法を検討して障害のある子どもの学校生活をサポートする。」という施策を掲げています。輝君の今後の学校生活を、市として、このプランを具体化するための「モデル事業」のひとつと位置付ける必要があると思います。
 夏らしい日もなかった夏でしたが、秋は確実に訪れようとしています。