県立高校入試・定員内不合格の実態
一次 3月3日発表 |
二次
3月17日発表 |
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事前協議 | 合格 | 不合格 | 事前協議 | 合格 | 不合格 | |
全日制 | 58 | 31 | 27 | |||
定時制 | 5 | 2 | 3 | 5 | 1 | 4 |
高校問題交渉で県教育局のみなさん
今年も障害のある生徒達が県立高校の門を叩いた。身体に障害のある生徒達は、それなりに希望校に入学した。しかし、知的な障害のある生徒達は、定員割れの全日制高校に入学できた生徒もいた半面、大幅定員割れの定時制高校で、不合格になった生徒達もいた。とくに、、大宮商業(定)を受験した斉藤くんは4年目、浦和一女(定)を受けた山田さんは2年目。同世代の若者達と一緒に高校生活を送りたいという強い希望を、定員に達しないにもかかわらず踏みにじった県教委と高校の責任は重大だ。
浦和一女(定時制)では、40名の定員に対し、一次16名・二次4名の受験者しかいない。その中で1名だけ2回とも不合格にされた。大宮商業(定時制)では、受験者が一次10名、二次3名。その中で1名だけ2回とも不合格にされた。
所沢東(全日制)では、生徒指導上の問題があるとされる生徒も含めて5名が不合格とされた。鶴ヶ島高校の二次募集でも定員内不合格者が出された。
「障害による不利益がないように」と言うのなら、知的障害の生徒を学力検査や調査書の成績で評価すること自体、「障害による不利益」なのだ。それを一歩譲って、定員割れの高校を受けてきたのだということを、教育局は何と思っているのか。「定員内不合格は本来あってはならない」 と局が書いた念書は、うそっぱちか。
「ノーマライゼーションの理念に基づく教育の推進」を掲げた昨年の特振協の報告書では、「後期中等教育における障害のある生徒に対する支援は、障害の種類や程度のほかに学力や卒業後の進路などを踏まえ可能な限り多様である必要がある。」と書かれている。だが、県立高校の門を閉ざしたままで、「可能な限り多様」になるはずがない。圧倒的多数の障害のある生徒たちが、盲ろう養護学校高等部に進まざるを得ないではないか。その結果は、同じ報告書にこう書かれている。「盲・ろう・養護学校高等部の生徒は社会体験不足から人間関係づくりが苦手な生徒が多いなどの状況がある。」と。報告書はまた、今後は厳しい財政状況なども踏まえつつ介助員配置や手話通訳、要約筆記など生徒の状況に応じた支援についても研究」と書いているが、希望する生徒をまず受け止めることから「研究」は始まるのだ。
最後に、今春、県立羽生実業高校を卒業した六澤くんからのメッセージ。
「定員内不合格はやめろ!ふざけんなぁーっ!障害者とふれあい、共にいきた人は、普通の人とつきあうよりも10 倍ぐらい、いい人になれる。みんなが…」 六澤利章