例年の通り、春日部・越谷両市教委に、3月末時点の就学指導結果を請求しました。いまのところ春日部市の結果だけが届いています(次ページ)。これを見てわかるのは、まず就学指導委が総数110人の子どもを「判断」のレールに乗せ、うち74人(67%)の子どもを「盲聾養護学校、特殊学級が望ましい子」言いかえれば「通常学級での生活は望ましくない子」と判断してしまっていることです。
私達は同市教委との間で、「本来は障害のある子もない子も地域の通常の学級で共に育ち・共に学ぶことが大切であるが、現状ではそこで学ぶための理解や支援が十分に整っているとはいえない状況があるので、親子がそれを望みかつ必要性が認められる場合には、特殊学級や盲・聾・養護学校も用意し、そこでの教育を選択できるようにしている。」という確認を取り交わしています。これに従えば、本来の判断は1 1 0人すべてについて「通常学級で生活することが望ましい」となるべきです。
その上で、「現状ではそこで学ぶための理解や支援が十分に整っているとはいえない状況があるので、親子がそれを望みかつ必要性が認められる場合」に、「盲聾養護学校、特殊学級での生活を例外的に認めることのできる子」であるかどうかの「判断」がなされるべきですが、74 人中、就学指導委の「盲聾養護学校判断」に従わずに特殊学級あるいは通常学級に就学した6人と、「特殊学級判断」に従わずに通常学級に就学した17人、計23人について「親子がそれを望み」という状況ではないのに「判断」がなされたことは明らかです。残りの51人についても、これまでの例から推察すると、強く勧められたためしかたなく…といった人も少なからずいるはずです。
昨年もそうでしたが、在学児が学年が上がるにつれ、分けられた場にふりわけられてゆく傾向が強まっています。私達と市教委の確認では「今後は、市障害者計画の「共に学ぶ教育の推進」を具体化し、『障害のある子どもと障害のある子どもが、分け隔てなくともに学び育つことができるように、多様な支援方法を検討して障害のある子どもの学校生活をサポートする。』施策を進めてゆく。」となっていたにもかかわらず、少しも前進していません。特に、「現在、市内の通常学級では小学校で1名、中学校で1名の障害のある生徒に教育委員会の予算で補助員を配置している。今後も必要に応じ、緊急雇用対策の予算なども活用して、配置を検討してゆく。保護者に対して付き添いの強要はしない。保護者の側から『お手伝いしたい』ということをうかがうことはあるが。」といった確認など完全に反故になっています。あちこちで「付き添いの強要」がなされています。「本来ここに来るべきでなかった子」として。
この就学指導結果に示されただけでも19人の障害のある子どもが「本来ここにいるべきでない子」という扱いを受けながら通常学級で学んでいることがわかります。共に育ち合う関係を支えてゆくために、教委・学校の姿勢をあらためさせなくてはなりません。
これらの確認は、春日部市障害者計画にも盛り込まれており、その実現は私達と市教委のみならず、市をあげて取り組むべき課題です。一緒に動き始めましょう。
就学指導委の判断 | うち盲聾養護学校に就学 | うち特殊学級に就学 | うち通常学級に就学 | |
---|---|---|---|---|
盲聾養護学校判断 | 14 | 11 | 1 | 2 |
特殊学級判断 | 9 | 0 | 6 | 3 |
通常学級判断 | 8 | 0 | 0 | 8 |
転入・編入等 | 1 | 0 | 1 | 0 |
判定の総計 | 32 | 11 | 8 | 13 |
就学指導委の判断 | うち盲聾養護学校に就学 | うち特殊学級に就学 | うち通常学級に就学 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
それまで 通常学級在籍 | それまで 特殊学級在籍 | それまで 通常学級在籍 | それまで 特殊学級在籍 | それまで 通常学級在籍 | それまで 特殊学級在籍 | ||
養護学校判断 | 9 | 0 | 6 | 0 | 3 | 0 | 0 |
特殊学級判断 | 42 | 0 | 0 | 11 | 17 | 14 | 0 |
通常学級判断 | 25 | 0 | 0 | 2 | 0 | 23 | 0 |
転入・編入 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 |
計 | 78 | 6 | 35 | 37 |