新越谷市障害者計画にそって就学指導を改めさせよう

 前号に春日部市の就学指導結果を掲載しましたが、その後で越谷市の就学指導結果が届きました。やはり83人(58%)の子どもを、学校教育法施行令22条の3に基づいて「盲聾養護学校または特殊学級適」と判断しています。この83人中で就学指導委員会の判断を拒否して通常学級に就学した子どもが12人(春日部市は19人)。盲聾養護学校適とされて特殊学級に入った子ども14人と合わせて26人(春日部市は22人)。この子たちは「本来ここにいるべきでない子ども」とされてしまったわけです。

 昨秋からTOKO おしゃべり会で「市の就学指導を抜本的見直さなければいけない」ということで折々に話し合ってきました。その要点は以下の通りです。

1.従来の一律の就学判定を廃止し、「共に育ち・共に学ぶ」ことを基本に
2.「適正就学のための相談・支援」から「共に育ち・学ぶための相談・支援」へ
3.特殊学級や盲ろう養護学校で学ぶことを選んだ親子への相談・支援体制を
4.国・県におあずけにせず、市町村の就学指導委員会条例・規則の改定から

 このうち、2、3については、本年3月策定された、「障害のある人もない人も分け隔てられることなく、ともに育ち、ともに働き、ともに暮すことのできる地域社会」を基本理念とした「新越谷市障害者計画」の中に、一定程度盛り込まれました。
 第5章 教育分野の【現況と課題】では、「一人ひとりの持てる力を最大限に伸ばし、主体性と自立性を促すうえで障害のある人とない人が分け隔てられることなく、ともに育ち、ともに学ぶ教育は重要です。」と書かれています。
 その「主要施策1.学校教育の充実」の中の「(1)福祉教育の推進」の冒頭に、「1 共に学ぶ教育の推進」として、「障害のある子どもと障害のない子どもが、分け隔てられることなくともに学び育つことができるように、多様な支援方法を検討して障害のある子どもの地域の通常学級での支援を進める。」という文言が入りました。>br<  また、「主要施策4.相談の充実」の冒頭、「(1)教育・相談の充実」の最初には「18 ともに育ち、ともに学ぶための相談の充実」が入り、「地域の通常の学級でともに育ち、ともに学ぶうえでのさまざまな課題の解消や支援体制の確立のための相談活動を充実する。」とされました。
 先の就学指導見直しの要点のうち1と4は密接な関連があり、施行令22条の3に基づいて分けることを基本とした就学指導委員会条例を廃止ないし全面改定する必要があります。国レベルでの「教育の欠格条項をなくす」取り組みとつながりながら、進めたいと思います。

平成15 年度越谷市就学指導結果(2004.3 集計)
就学指導委の判断 うち盲聾養護学校に就学 うち特殊学級に就学 うち通常学級に就学
盲聾養護学校適 23人(就学児16人、在学児7人) 14人 1人(在学児) 38人
特殊学級適 0人 34人/td> 11人 45人
通常学級適 0人 0人/td> 60 人 60人
判断の総計 23 人(うち就学児16 人、在学児7人) 48人(うち就学児23人、在学児25人)/td> 72人(うち就学児の通級11人) 143人