「教育の欠格条項」めぐり文部科学省交渉

教育の欠格条項をなくす会準備会
(新座市大和田4-14-1 ふくしネットにいざ内 048-479-3799)

 「分ける教育」を基本とする学校教育法および同施行令を「欠格条項」であるとし、「分け隔てない教育」を基本にし「分ける」ことは例外である形で法令を改正せよと求める「教育の欠格条項をなくす会準備会」(事務局・ふくしネットにいざ内)は、8月19日、参議院議員会館において第1回目の文科省交渉を行いました。岡崎トミ子議員を通して質問書を提出し、それに伴う交渉として行われました。
 出席者は、文科省から山下和茂特別支援教育課長と生方裕特別支援教育振興係長。国会議員の岡崎トミ子さん、神本恵美子さん(いずれも民主党)と高野博師さん(公明党)。そして、団体は教育の欠格条項をなくす会準備会、障害児を普通学校へ全国連絡会、DPI日本会議。その他千葉・東京・埼玉の人々等が参加しました。
 山下特別支援教育課長は、岡崎議員から請求のあった「全国の就学指導にかけられた子どもの数」については、市町村の自治事務であり、把握していないという逃げの答弁をしていましたが、詰めた結果、次回までの宿題として、調査をどんな形でいつまでにできるかを検討することになりました。
 また、現在「特別支援学校」や「特別支援教室」の法制化のありかたについて検討を行っている中央教育審議会(中教審)特別支援教育特別委員会が中間報告を近々まとめますが、その際パブリックコメントを行うことを言明しました。なお、この委員会の審議事項となっている「通常学級にいるLD、ADHD等の児童生徒に対する支援の仕組みについて」の「等」に含まれるのは、高機能自閉症、アスペルガー症候群のような、自閉症に類するもので、従来の知的障害や身体障害などは含まないとの見解も明らかにしました。
 法令的に存在するはずのない施行令22条の3対象で、なおかつ「認定就学者」にもなっていない多くの障害をもつ子ども達が通常学級で学んでいることが、こちら側の調査により、埼玉はじめいくつかの県教委の資料から数字的に明らかになっています。しかし、山下課長は、それらの子ども達の存在は認めながらも、「今までの障害児、LDとかそういう以外の、障害の子ども達については、それぞれの設置者や学校の判断で適切な配慮がなされていると思う」、「そういった方々(LD等以外の子ども達)を無視して、学校現場で体制整備が行われていることはありえないこと」など、その実態把握も行わないまま、市町村まる投げの発言をしていました。
 障害者基本法の付帯決議の解釈に関して、山下課長からは「これは議員立法だから」とか「附帯決議に関しては各会派いろんな考えがある」などと本音をチラリとのぞかせていましたが、神本議員が、「分け隔てられることなく」、「共に育ち、学ぶ教育を受けることのできる環境整備を行う」というのは、行政に対する国会の意志である、全会一致の決議であって解釈をどうこうするのではない、ことば通り受け止めてやって頂きたい、と一喝。課長は発言を訂正し、「付帯決議も含め、周知徹底させるよう一生懸命考えさせて頂き、やっていきたいと思います」と答えていました。
 第2回の文部科学省交渉を、10月21日(木)に予定。国会ロビー活動もあわせて行います。