前頁の第15表によれば、県内公立高校の全日制を希望する生徒は、中3の10月には52,203人いたが、1月には48,267人に減り、最終的に入学後の5月は41,870人に減っている。差し引き1万人ほど減った。
いっぽう、県内公立高校定時制については、中3の10月が251人、翌年の1月が446人となり、最終的に入学後の5月は701人に増えている。通信制についても同様で、中3の10月が197人、翌年1月が474人、入学後の5月は750人に増えている。全日制に入れないと考えた生徒が定時制、通信制に回ったことが推定される。約750人増えた。
県内私立高校は、中3の10月には6,515人、翌年1月が10,709人、そして最終的に入学後の5月は16,495人に増えている。県外の私立高校は、それぞれ3,322人、5,285人、最終的には6,109人。県内・県外あわせて13,000人増えている。
進学(希望)者総数は、中3の10月と入学後の5月を比べると、3,000人増えている。以上を考えると、生徒の希望にこたえるためには、県内公立高校の全日制の定員枠を増やす必要があることははっきりしている。
ところで、県内中学校3年生で盲ろう養護学校を希望する生徒は、10月が303人、翌年1月が322人、そして入学後5月が338人と、少し増える程度だ。これは、知的な障害や重い身体障害などのある生徒は高校など無関係という進路指導が行われてきたことと関係があるだろう。そして、本県においては、県立高校に落ちたから盲ろう養護学校に行くといった受け方はできないと、県教育委が定めている。こうしたハードルをなくし、ほんとうは誰もが抱いている、みんなと一緒に当たり前に生きたいという希望を、外に表現できるようにすべきだ。第13表を見ると、盲ろう養護学校中学部卒業者は、そのほとんどが盲ろう養護学校高等部へ進学する。過去10年間を見てもあまり変わらない。みんなが高校の話題でもちきりの中学校ですら「障害のある子は盲ろう養護学校高等部へ」という進路指導がされているのだから、盲ろう養護学校中学部で高校のことなど例外中の例外としてしかとりあげられなくても不思議ではない。根っこは限りなく深い。
1) 高等学校等進学者
市町村等 | 卒業者 総数 | 進学者計 | 全日制高等学校 | |||||||||
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全日制計 | 県内所在 | 県外所在 | ||||||||||
県内計 | 国立 | 公立 | 私立 | 県外計 | 国立 | 公立 | 私立 | |||||
県内中学校卒業者総計 | 実数 | 68,227 | 66,850 | 64,915 | 58,505 | 140 | 41,870 | 16,495 | 6,410 | 86 | 215 | 6,109 |
割合 | 100.0 | 98.0 | 95.1 | 85.8 | 0.2 | 61.4 | 24.2 | 9.4 | 0.1 | 0.3 | 9.0 |
市町村等 | 定時制高等学校 | 通信制高等学校 | 高等専門学校 | 特殊教育諸学校 | |||||||
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計 | 県内 | 県外 | 計 | 県内 | 県外 | 計 | 県内 | 県外 | |||
県内中学校卒業者総計 | 実数 | 729 | 701 | 28 | 750 | 398 | 352 | 118 | 338 | 321 | 17 |
割合 | 1.1 | 1.0 | 0.0 | 1.1 | 0.6 | 0.5 | 0.2 | 0.5 | 0.5 | 0.0 |
2) その他
市町村等 | 専修学校等進学者 | 就職者 | 無業者 | 死亡・不詳 | |||
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専修学校 | 各種学校 | ※公共職業 | |||||
県内中学校卒業者総計 | 実数 | 164 | 33 | 14 | 453 | 709 | 4 |
割合 | 0.2 | 0.0 | 0.0 | 0.7 | 1.0 | 0.0 |
上の表では県内中学校卒業者の進路を示しているが「高等学校等進学者」の中に「特殊教育諸学校」すなわち盲ろう養護学校高等部が入っている。この0.5%を差し引くと、高専を含む「高等学校等進学者」は97.5%。これが2004年3月時点での「高校進学率」ということになる。