「障害」ってなんでしょう?たとえば、IQ(知能指数)の考え方では、IQ70を知能のおくれの有無の目安にしています。IQ70 に達しない人は、常に2.27%いる計算になります。しかし、国の調査で「知的障害」の人は0.4%です。このこと一つ考えても、「知的」って?「障害」って?と悩みますよね。
また、この頃、LDとか、ADHDとか、行為障害とか、さまざまな「障害」名が登場しています。日本ではこれも同じ「障害」という文字をあてていますが、本家のアメリカでは異なる言葉があてられています。「不調」とか「乱れ」といったニュアンスです。
こうしたことから見て、学校、職場、地域といった社会の中で周りとうまくやっていけているかどうかが、「障害がある」とか「障害がない」とされる状態の見極め方につながっていることはたしかです。逆から考えれば、学校、職場、地域でさまざまな人々が役割を分け持ち、折り合いながらやってゆく道を見失っているぶんだけ「障害のある人」と「障害のない人」の区分が生み出されているといえます。いま「格差社会」とか「下流社会」といわれている現実の根っこには、そんなこともあるんです。
「障害のある人」と一緒に学び、働き、暮らし合うことから学校、職場、地域を組立て直す道を共に探ってゆきましょう。