福祉ってなんでしょうね。教育や労働や産業や都市計画などの施策から、なんらかの形ではずされてきた人達に、国は福祉をもって補償をします。福祉が拡充することは、それだけ社会の本流からはずされる人が増えていることを意味します。では福祉は削減すべきか?そのジレンマが目の前にあります。
障害者自立支援法がこの四月から施行されました。利用料の一割負担がのしかかってきたことは、かなりの方がご存知と思います。
では、施設の報酬が月割りから日割りに変わったことはご存知ですか?入院したり、家にひきこもる人の多い施設、また社会参加を進め施設に毎日は来ない人が多い施設は、報酬が甚しく減るため、職員を雇いきれなくなります。
十月からは更に大きく変わります。ヘルパーでは移動介護がなくなり、市町村が独自方針で行う「移動支援」だけになります。施設はここ一、二年で「授産」・「更生」等の区分けが消えます。「就労」、「自立」できそうな人の短期間の訓練の場と、そこからもれた人達の利用の場に分けられます。障害の重い人達も支援を受けながら職場や地域に参加する道が絶たれそうです。閉ざされた世界がさらに膨れ上がろうとしています。
障害のある人、関っている人、他の地域の人、事業主、市町村、県それぞれの役割とつながりがとても大事になってきます。福祉に足を置きながらも、あたりまえに学校や職場で一緒にいる暮らしをいかに進めてゆくのか。教育や労働や産業の施策の問い直しと福祉の問い直しをセットで取り組まなくてはジレンマをこえられません。