(「学校教育法一部改正案」を審議している参議院文教科学委員会で確認されたこと)
【通常学級で学ぶ子どもの法的扱いについて】・普通学級で学ぶ障害のある子どもたちは ⇒ 75 条1項の「その他教育上特別の支援を必要とする児童、生徒」に該当し゜小中学校において教育が行われることになる
Q 認定就学でなく、普通学級で学ぶ障害のある子どもたちは、この法律のどの部分に規定されているのか?(4/18 林久美子議員・民主党)
A 75 条1項に基づいて教育が小中学校において行われることになり、「その他教育上特別の支援を必要とする児童、生徒〜」の部分に該当する。 (銭谷局長)(小中学校に在籍する障害のある児童生徒全体を指して教育を行うという規定である)
・ 学習指導要領の改正は ⇒非常に大きな課題の一つとして検討
Q カリキュラムに、学習指導要領の改正はあるのか?(4/25 後藤博子議員・自民党)
A 通常の小中学校に在籍する障害を持つ子どもに対して小中学校においてしっかり教育していこうというのが75 条の規定である。 法律改正に関連して学習指導要領の改訂作業のなかで小中学校における障害を持つ児童生徒への指導の充実についても、非常に大きな課題の一つとして検討を進めている。(銭谷局長)
[施行令第22 条の3 について」
・ 強制的な書き方は ⇒用語等の改正を含めて検討
Q そこに就学させるべきという、非常に強制的な書き方になっていることについての見解を (4/18 神本美恵子議員・民主党)
A この規定に該当する人はすべて盲・聾・養護学校に就学しなければならないと読めるが、運用はそうなっていない。弾力的な運用が可能であるという点が明確になるように必要な検討をする。用語等の改正を含めて改正の検討をする。(銭谷局長)
[特別支援教育について]
・ 特別支援教育の理念をどう考えるか? ⇒ノーマライゼーション、インクルージョンが国際社会の流れになっていることを認識
Q 特別支援教育の理念をどう考えるか?(4/25 佐藤泰介議員・民主党)
A 障害児の教育については、ノーマライゼーション、インクルージョンが、国際社会の流れになっていることを認識している。学校教育が共生社会の創造に寄与するように更に取り組みを進めたい。(小坂大臣)
[障害児の在籍の在り方の見直しについて]
・ すべての子どもたちに通常学級籍の保障を ⇒ 施設設備や教職員の配置、資質、能力の向上など多くの課題が存在する。充実に努めたい。
Q すべての子どもたちが通常学級に本籍を置くことを保障し、選択的に特別支援学校や特別支援教室を利用するという構想はとれないか?(4/25 佐藤泰介議員・民主党)
A インクルージョンの理念を踏まえつつ、特別支援教育の一層の推進を図るためには、施設設備や教職員の配置、資質、能力の向上など多くの課題が存在する。着実にこれらの充実に努めたい。(銭谷局長)
[就学手続きについて]
・ 保護者の希望を制度上保障する必要 ⇒ 希望を表明する機会を十分確保するよう進めていきたい
Q 保護者に十分な情報提供を行い、その上で進学希望についての事前協議を行うというプロセスを制度上保障する必要があることについて(4/25 佐藤泰介議員・民主党)
A 本人及び保護者が就学先について希望を表明する機会を十分確保するように取り進めていく必要があると考えている。こういったことを今後ともしっかりと行っていきたい。(銭谷局長)
・ 選択権を与えていく手続に改善を ⇒質問の趣旨を勘案しつつ、手続きの在り方を含め十分検討する
Q就学先の決定に関し障害のある児童生徒に選択権を与えていくなど手続きを改善していく必要があると考えるが(4/25 佐藤泰介議員・民主党)
A 就学先の指定については、障害のある児童生徒の就学の在り方についての検討の中での質問の趣旨を勘案しつつ、今後、手続きの在り方を含め十分よく検討する。 (銭谷局長)
[支援員、介助員の配置について]
・ 支援員、介助員の配置と財政措置を ⇒ 各市町村で適切に判断されるべきもの。国がどんな支援が可能か、交付税算定の基礎項目にするなど今後の検討課題。
Qすべての学校で特別支援教育が行われるという理念の転換に合わせた支援員、介助員の配置と財政措置について(4/25 山下栄一議員・公明党)
A 小中学校における介助員などの教員や児童生徒の支援を行う職員の配置については、各市町村の教育委員会において適切に判断されるべきものである。これに対して、国としてどんな支援が可能かについては今後の検討課題として取り組む。(小坂大臣)
A市町村の一般の学校での実態把握はしていない。法改正の趣旨等を踏まえ、財政措置、交付税算定の基礎項目にするということについては考えていきたい。(山崎総務副大臣)
[学校のバリアフリーについて]
・ 障害者用トイレの設置、緊急に計画を立て特別予算を ⇒必須の条件であり、計画的な整備は極めて重要な問題
Q バリアフリー化の中でも特に障害者用トイレの設置については、緊急に計画を立て特別予算で取り組む必要があるのではないか(4/25山下栄一議員・公明党)
A 障害児、児童生徒が学校で学ぶにあたってやはり必要な条件である。学校の地域活用の面、災害時を考えても必須の条件と考えるのが自然と思う。まだまだ整備が遅れていると言わざるを得ないと認識している。合理的な整備計画を策定して計画的な整備を行うように指導していきたい。日常生活において必要な対応を考えて計画的に整備を進めていくことは極めて重要な問題だと考えている。(馳副大臣)
A 学校のバリアフリー化を推進していくことは大変重要だと認識している。その観点から所要の財源を措置している。今後も文科省と連携しながら積極的に推進していきたい。(赤羽財務副大臣)
[拡大教科書について]
・ 国の責任による供給のための方策は ⇒ 確実に無償で供与されることは大変重要
Q教科書無償法を改正して、出版社に義務付けること、拡大教科書のための教科書のデータ提供の義務化はできないか。安定的な供給体制のための機関設置については(4/18神本美恵子議員・民主党)
A拡大教科書を必要とする児童生徒に確実に無償で供与されることは、大変重要だと思っている。新たな義務を課すことは直ちには難しいが、一日も早く必要な児童生徒に拡大教科書が供与されることを目指して具体的な方策の検討をしていく。各都道府県教育委員会に相談窓口を設置することを要請していきたい。(銭谷局長)
A義務化は命令できないが、教科書協会に対して積極的にやってもらえるように私も努力する。(小坂大臣)