越谷市役所 |
春日部市教育センター |
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前号で予告した越谷市教委(6月30日。越谷市教委とは8月21日にも少人数で再確認をしました)、春日部市教委(7月10日)との話し合いが行われました。越谷は、いま地元の通常学級在学中の子どもを持つ親が6人、特殊学級在学が1人、養護学校高等部在学が3人参加しました。春日部では、通常学級在学中の子供を持つ親が4人でした。そのほかどちらも大人の障害者やその地域生活の援助にかかわる人などが参加しました。近所の子供たちと楽しく学び、育っている状況の報告とあわせ、つぎのような課題も出されました。
越谷の話し合いでは、かって通常学級では「補助員」がほとんどいなかった時代に、学校側が腹をくくって共に学び育つことを担任はもちろん学校挙げて支えたころの体験が語られました。そして、いまの越谷では、その当時とくらべ、学校側が「補助員」をあてにしすぎるあまり「補助員」が来れないときはすぐ親の付き添いを求めてくるという現実がクローズアップされました。
いっぽう春日部の場合は、越谷市の「補助員」にあたる「支援員」が昨年まで5人だったのが、今年15人に増えたばかり。親の側から学校にその情報を伝えて自校に導入してもらった例もありました。まだ越谷市のように親の付き添いが増加しているとはいえませんが、一般の教員とは異なる「支援員」の立場や役割があいまいなことから、「支援員」がいても相変わらず親が付き添いから解放されないという例も一部見られます。このままでゆくと、やはり越谷と同じように障害のある子は「支援員」まかせという状況になり、「支援員」がいない場合は親の付き添いが強いられることになりかねないと思われました。
親の付き添いが当然のことになってしまわないよう、基本的には学年、学校全体で受け止めてゆくこと、とくに付き添いがなければこの学校行事には参加させないと言ったりすることはあってはならないことを、あらためて市教委と確認しました。
両市教委とも、「本来は障害のある子もない子も地域の通常の学級で共に育ち・共に学ぶことが大切である。現状ではそこで学ぶための理解や支援が整っているとは言い切れない状況もあるので、親子が望む場合には、特殊学級や盲・聾・養護学校も用意し、そこでの教育を選択できるようにしている」という原則や、「障害のある子どもと障害のない子どもが、分け隔てられることなくともに学び育つことができるように、多様な支援方法を検討して障害のある子どもの地域の通常学級での学校生活をサポートする」方針については、引き続き確認されました。
しかし、実際のところ就学支援委員会では、「このレベルだと養護学校なんですが、お母さんは養護学校に行かせたくないんですね」というように、検査の結果によって適切な就学先を判断することは相変わらず行われており、私達との間で確認している原則が徹底してはいないことも確認されました。この原則が不徹底なままでは、通常学級でのサポートが拡大しても付き添いが増えてゆくというおかしな事態がさらに進むことも考えられます。国、県レベルの法令や体制の見直しが急がれます。