<文科省「特別支援教育支援員」導入を前に> |
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迷いながら普通学級で | 清水 泰子(越谷市) |
就学相談、特殊学級の見学で必ず言われてきた言葉があります。”親御さんが、普通学級にこだわる気持ちもわかりますが、お子さんのためによく考えてください。” 普通学級は無理です。と念押しされているようで、何度も気持ちがゆれました。
本当に大切なものは何か?特殊教育を受けることか、地域で友達や兄弟と同じ学校に行くことか。本当は、どちらも保障されなくてはならないことだと思うが、今の状況では、それはかなわない。ずっと悩んでいたとき、しきりに2才上の兄の真似をはじめました。今まで、自分のことだけで、兄のことを意識することがなかったのに、大きな変化でした。
大好きな兄と切り離しては、いけないこと、兄のお手本が彼にとって一番の刺激になっていることを感じました。兄弟であれば当たり前に同じ学校に通えるのに、越境してまで特殊学級がある学校に行かなくてはならないことはほんとに快人のためになるのか?何もしないうちから、諦めてしまっては、彼の可能性の芽を親がかってに摘んでしまうことになる。今一番必要なことは、兄と一緒に学校に行くことだと思い普通学級を選択しました。入学するにあたり、親の付き添いが求められること、学校とよく話し合うこと等就学相談で助言がありました。覚悟の上の入学でしたが、実際の学校生活は大変なものでした。
校長先生、担任の先生が全く自閉症の子供と係わった事がないのでどう対応したらいいかわからないということからはじまりました。必然的に親の付き添いが求められました。朝の登校から、下校まで精神的に追い詰められ、一週間でぼろぼろでした。幼稚園でさえ、三年間のなかで一日も付き添ったことがないのに、このまま付き添っていたら、甘えがでてくることを感じ、補助教員をつけて欲しいことをお願いしました。
5月1日より、週3回補助の先生がついてくれることになり少しずつ負担は軽減されました。6月より水泳の授業がはじまり、また付き添いをもとめられました。補助の先生がいらっしゃる日ですが、先生のご都合で快人には付き添えないとのことでした。
校長、教頭を交えての話し合いをしましたが、付き添いがなければ水泳の授業に参加することを許可できないと言われ、また逆もどり。夏休みのプールも付き添うことを条件として、許可されました。
二学期に入り、少しずつ落ち着き始め先生方の見る目が変わりはじめました。