クラスメートが渉君との遊びを人権作文に

この記事は、秋の号外に載せましたが、読んでない方も多数おられると思われるので、再録しました。


わらじの会 TOKO 御中

 こんにちは。いつも大変お世話になっております。松本渉(わたる)の母です。長かった夏休みも終わり、二学期がはじまりました。
 市内の小中学校の中には、新型インフルエンザによって学級閉鎖をしているところもあるそうなんですが、平方小は今のところ大丈夫なようで、今日も元気に学校へ行っています。
 じつは、渉のお友達が、『人権作文』で渉のことを書いて、その作文が最優秀に選ばれて表彰されることになったそうです。
 今日、先生にコピーをいただいて読みましたが、とても子どもらしい良い作文でした。
 いずれ作文集で配られるそうですが、みなさんにも是非読んでいただきたいと思い、メールいたしました。
 渉の学校での様子が目に浮かびました。渉が毎日の休み時間をとても楽しみにしているわけもよくわかります。
 この作文を書いたお友達は、渉と仲良くしてくれている分 余計に迷惑をかけてしまうことが多いのですが、(習字の墨をつけられたり、叩かれたり)それにもめげず(?)優しく接してくれているのがとても嬉しく思います。
 また、今年の担任の先生は、とても渉のことを観察してくれていて、今まで親も気が付かなかった渉の成長を知ることができました。
 また機会がありましたら、近況を報告したいと思います。

松本みゆき

  しょうがいを持つ子と遊んで 四年一組 荒井柚月  

 わたしには、四年間ずっと同じクラスの男の子がいます。その子は、ダウンしょうというしょうがいがあります。でも、とても明るくて、クラスの友達をいつも笑わせてくれる楽しい男の子です。
 四年生になってからわたしは、その男の子とよく遊ぶようになりました。二十分休みや昼休みなどに、色々な遊びをします。
 その中でもよくかくれんぼをします。わたしともう一人の友達がおにになり男の子がかくれる事になりました。そして男の子は校庭の近 くの水道のうらにかくれていました。
 わたし達は、「もういいかいー。」と聞くと、「もういいよー。」と言ったから、わたし達は水道のうらに向かいました。 そしてわたし達は、「ここにいるでしょ。」と言ったら、「いないよ。」と言われたからわたしは、心の中でこう思いました。「ぜったいここにいる。」と思いました。そして水道のうらをのぞいてみたら そこに男の子がかくれていました。
 その次に、おにごっこをして遊びました。ジャンケンでおにを決めました。男の子がおにになり、わたしは思いっきり走って、もう一人の友達も思いっきり走りました。男の子はとても一生けん命走っていたので、ちょっとつかまってもいいかなと思いました。もう一人の友達もすぐつかまっちゃいました。
 その次に遊具で遊びました。すべり台のきょう走をして、わたしが一位で男の子は三位でした。もう一人の友達は、二位で大よろこびでした。「やったーやったー。」と言いながら次の遊びを考えました。
 紙飛行きで遊びました。男の子は、紙飛行きを見つけるとすぐなげます。そして図書室に行くと、お気に入りの本を必ず読みます。
 プールで遊んだ時は、泳ぎ方が上手でした。色々な泳ぎを見せてくれて、特にバタ足が上手でした。わたしが、「上手だね。」と言ったら、「すごいね ぼく。」と言っていました。
 ボールで遊んだ時は、男の子のボールの強さがとてもはく力があってこわかったけど、ボールなげは、とても楽しかったです。男の子は、バスケットゴールにボールを入れると、とてもよろこんでいてかわいいです。男の子と遊んでいると、わたしも元気がでます。
 授業中は、同じ勉強はできないので、足し算やひき算、ひらがなや言葉の勉強をしています。自分のできることを一生けん命やっているすがたを見るとわたしも負けずにがんばろうと思います。しょうがいのある子といっしょにすごすことは、特別なことではないと思います。同じことはできなくても、いっしょにすごすことは、とても大事なことだと思います。いっしょに遊んだり、いろいろ話したり、いっしょに笑ったりすることがその男の子にもわたしたちにもとても大切な時間です。これからも仲よくしようね。

先生からの連絡帳より(6月11日)  

 この一ヶ月で、成長したなと思うことが増えてきました。授業中はだいぶ長い間、すわっていて、最後まで何かしらの活動を行うことができるようになってきました。
 声を長い間出してしまった時も「シーッだよ」と言うと静かになったり、給食当番の子といっしょに、牛乳を1つずつみんなの机に上手に置いていったりと、1対1対応のことは上手にできるようになりました。朝も自分で教室まで来て、仕度をしたり、片付けたり。また昼休み一緒に楽しそうにドッチボールに参加して、あたったり、あてたり、友達ととけこみ、皆と一緒に行動できることも増えました。友達とハッピーバースディの歌を元気に歌ったり、教育実習の先生のお別れ会では涙を流したり、喜び哀しみ、などの感情も豊かになったように感じます。